ユース学生会員 ルーマン解読 ドグマ的思考の社会学‐「法システムと法解釈学」を読む| 新宿教室 | 朝日カルチャーセンター
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【新設】ユース学生会員 ルーマン解読 ドグマ的思考の社会学‐「法システムと法解釈学」を読む ドグマ的思考の社会学‐「法システムと法解釈学」を読む

講師名 ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp) 酒井 泰斗
西南学院大学教授 毛利 康俊
講座内容
ドグマはふつう、人々の思考を縛るものだと考えられています。しかし1974年に刊行された本書においてルーマンは、法専門職の仕事を例に取り、ドグマ的思考は法律家の思考を解放する側面と、類似の事例に法的決定を一貫させるという効果をあわせ持つ、と主張します。そしてドグマ的思考のこうした積極面に着目することで、法律家集団内外からの法律家批判に適切に応じることができるようになるとしています。
 また本書6章では特に所有概念が取り上げられます。近代的な所有権概念の成立後も所有をめぐる判例理論が展開しただけでなく、さまざまな私法の特別法が制定され、種々の公法的な規制が所有権に加えられてきました。その結果、所有の基本的な概念は同じままでも、その機能には大きな変化が生じました。この変化の背景に、ルーマンは、法律家たちの、所有概念をコアとする概念ネットワークを複雑化し、洗練させてゆく努力をみているわけです。さらに、所有の概念は近代社会を特徴づける経済システムの分出に対応するものなので、ルーマンは新たな理論装置を作ってはさまざまな角度からたびたびこのトピックに立ち戻ることになりました。
 残念ながら本書は、ルーマンの理論装置がまだ未整備だったために分かりにくい面もあるのですが、この点は後年の『社会の理論』シリーズを参照することで明確になります。したがって、70年代のルーマンが、所有をめぐる諸制度と法思考についてどのように見ているかを知ることは、彼の理論の全体がどのように展開していったかを知るためにも有意義でしょう。そこで本講義では、第1講義[毛利担当]において、19世紀後半以降の法学方法論争史を概観したうえで、①法専門職における集合的概念操作のあり様(2-3章)と、それが②法と社会の関係を考慮する際に持つ意義(4-5章)について、本書全体の骨子を紹介し、第2・3講義[酒井担当]において、特に「テクスト操作」と「所有」という二つの論題をとりあげて、同じ論題を扱っている後年の『社会の経済』『社会の法』『社会の政治』も参照しつつ主張内容を確認するという順序で、のちに「冗長性と多様性」や「構造的カップリング」といった術語で語られるようになる事態について、法解釈学を例に考えてみたいと思います。(講師・記)
日時・期間 月曜 19:00-20:30 04/17~06/19 3回
日程 2017年 4/17
受講料(税込み)
4月~6月(3回)
会員 3,888円
教材費
設備維持費
注意事項 ・初回のみ対談。西南学院大学教授・毛利康俊さんをゲストに迎えます。
ご案内 ※講義では邦訳テクスト「法システムと法解釈学」(土方透 訳、1988年、日本評論社)を使用します。お持ちの方は持参してください。(入手できない場合にもわかるようレジュメを配布いたします。)
※講義の情報をまとめたページがあります。受講時の参考にしてください。http://socio-logic.jp/luhmann_acc/
講師紹介 酒井 泰斗 (サカイ タイト)
大阪大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程中退。音楽制作会社を経て現在は金融系企業のシステム部に所属。専門はインターフェース・デザイン。関心分野は道徳哲学史、社会科学論争史など。
著書: 酒井ほか編『概念分析の社会学2:実践の社会的論理』(ナカニシヤ出版、2016)、 酒井ほか編『概念分析の社会学:社会的経験と人間の科学』(ナカニシヤ出版、2009)、 前田ほか編『ワードマップエスノメソドロジー:人びとの実践から学ぶ』(新曜社、2007)。
論文:「社会システムの経験的記述とはいかなることか:意味秩序としての相互行為を例に」(『ソシオロゴス』31、小宮友根との共著)。
毛利 康俊 (モウリ ヤストシ)
京都大学大学院法学研究科単位取得退学(1996年)。現在、西南学院大学法学部教授。著書に『社会の音響学:ルーマン派システム論から法現象を見る』(勁草書房2014年)がある。この著作では、ルーマンの理論を法秩序論の方法論として再構成し、若干の応用例を示した。最近では、システム論や推論主義意味論の観点から、法的思考・法解釈学の実態を適切に記述し、位置づけることを試みている。

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