ヨーロッパとは何か| 新宿教室 | 朝日カルチャーセンター
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03-3344-1941

10:30~18:30  *日曜・一部祝日を除く

ヨーロッパとは何か 歴史をどう書いてきたか

講師名 学習院大学名誉教授 堀越 孝一
講座内容
古代ギリシアのヘロドトスから20世紀のオランダのホイジンガまで、ヨーロッパと呼ばれる土地の人たちが歴史をどう書いてきたか。この千年紀二つ半ほどの間、歴史の見方はゆるぎなく一つであったとはけっしていえません。たえずゆらいでいました。一方では、キリスト教史観とか、唯物史観とか、歴史の見方を固定しようとする強大な力が働いていました。進化とか、段階的発展とか、なにしろ目的意識をもった歴史理解もいまなお盛んです。自分たちの歴史をどう理解したらよいのか。現代のヨーロッパ人は、歴史とは何か、思い惑っているようです。

≪1月期の各回のテーマ≫

1. 4月期の「前文」をこのリーフレットの表面に見られるように書いて以来、前期10月期まで3期にわたって、ヨーロッパと呼ばれる土地の歴史家たちをご案内し、19世紀ドイツのランケまで来ました。テキストに指定させてもらいました拙書『教養としての歴史学』の構成では第8章までです。あと1章「ブルクハルト、バーゼルの文化史家」が残りました。10月期のリーフレットの裏面の「来期1月期に予定する講義内容のご案内」には、なにしろ3回しか講義できないのだから、ぜいたくなことをいってはいられない。ブルクハルト、ホイジンガ、マルク・ブロックの3者をまとめて料理しようとなどと空恐ろしいことを書いていますが、撤回します。この講義をヤーコプ・ブルクハルトの歴史学をたんねんに読み解く機会にしたいと思います。残るふたりについては、『中世の秋』とか『朝の影のなかに』とか、あるいは『封建社会』とか、第二次世界大戦までの20世紀のヨーロッパの歴史学界を代表する著述の紹介を含めて、4月期に新しい講座を立ててご案内したいと思っています。

2. ブルクハルトはベルリン大学でランケに学びました。研究の成果をまとめた論文は高く評価され、学生の優秀な論文を出版するシリーズの内の一冊に選ばれました。しかし、ブルクハルトはランケのもとを離れます。ただ勉強の角度を変えて政治史から文化史に移ったというだけのことではないようです。かれの持って生まれた資質が問われるでしょう。ベルリン滞在中にかれはベルギー(中世のフランドル)を旅行して美術作品を見て歩き、その見聞録を本にしている。後にイタリアを旅行して「美術作品探訪の案内」という本を出版しています。かれは芸術作品を通してその土地の社会と文化にふれることが好きだったのです。

3.ブルクハルトは1860年にバーゼルで『イタリアにおけるルネサンスの文化』を出版しましたが、それ以来「ルネサンス」は一つの時代概念として圧倒的な支持を獲得します。19世紀のヨーロッパ人は自分たちが生活している、まさにその社会の理念型をそこに見出したのです。理念型というのはマックス・ウェーバーの用語で、ある一つの時代を理解するために、まず作ってみるひな型、といいますか、模型のことです。いわゆるルネサンスの時代を理解するために作られたはずのひな型が19世紀のヨーロッパの市民社会を知る上で役に立つということで、そこにはなんとも屈折した思考の影が見て取れます。
日時・期間 水曜 10:30-12:00 01/25~03/22 3回
日程 2017年 1/25
受講料(税込み)
1月~3月(3回)
会員 9,072円
教材費
設備維持費
注意事項
ご案内 <テキスト>  「教養としての歴史学」(堀越孝一著、講談社現代新書)
           開講日に新宿住友ビル10階カウンターにて販売いたします。
講師紹介 堀越 孝一 (ホリコシ コウイチ)
1933年、東京に生まれる。学習院大学名誉教授。『ヴィヨン遺言詩注釈全4巻』(小沢書店)、ホイジンガ『中世の秋』(翻訳書、中公文庫(上・下)、中公クラシックス(Ⅰ・Ⅱ))、同『朝の影のなかに』(翻訳書、中公文庫)、『中世ヨーロッパの歴史』(著書、講談社学術文庫)、『ブルゴーニュ家』(講談社現代新書)、『新書ヨーロッパ史中世篇』(編著書、講談社現代新書)、『騎士道百科図鑑』(日本語版監修、悠書館)、『人間のヨーロッパ中世』(著書、悠書館)、『パリの住人の日記』Ⅰ・Ⅱ(校訂、翻訳、注釈、全3巻予定のうち、八坂書房)。『ヴィヨン遺言詩集 形見分けの歌と遺言の歌』(悠書館)、『ジャンヌ・ダルクの百年戦争』(清水書院、新訂版、2017年4月刊)。

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