教室拝見!

言語と文芸-古典の扉を開く

九州大学文学部提携講座

 インターネットなどを通して日々、膨大な量の情報に押し流されるように生きている現代ですが、時には古典をひもとき、先人の叡智に学んでみようという九州大学文学部の提携講座「言語と文芸-古典の扉を開く」。19日の初回は「スタンダール『赤と黒』の社会諷刺」というテーマで、仏文学の髙木信宏教授に講義していただきました。リアリズム文学の嚆矢とされる『赤と黒』は、スタンダールが執筆した当時の世相が綿密に描き込まれています。歴史的な背景を知った上で人物描写などを読み解くと、フランス革命後の揺れ動く社会と、人々の思いが見えてきます。スタンダールが作品に込めた社会諷刺は、「時代を見る目」の大切さを教えてくれます。やはり「古典」と呼ばれるものには学ぶところが大きいですね。提携講座は毎月第3土曜の13:30~15:00です。
       ◇
 10月19日    スタンダール『赤と黒』の社会諷刺          髙木信宏教授(仏文学)
 11月16日    『伊勢物語』の魅力                 辛島正雄教授(国語学・国文学)
 12月21日    『万葉集』-旋頭歌の調べ-             髙山倫明教授(国語学・国文学)
  1月18日    『ガリヴァー旅行記』のガリヴァーを考える      鵜飼信光教授(英語学・英文学)
  2月15日    『三国志演義』と明代の人々             井口千雪講師(中国文学)
  3月21日    トーマス・マン『トーニオ・クレーガー』を読む    小黒康正教授(独文学)

 お申し込みはこちらから。

 


東南アジアの歴史・文化・言語・環境

九州大学大学院地球社会統合科学府提携講座

 中国や韓国といった東アジアと比べると、やや縁遠い地域のように感じられる東南アジアですが、日本との交流の歴史は意外に古くからあり、少なくとも14世紀には遡ることができます。この地域にスポットをあて、歴史・文化・言語・環境といった多様な角度から紹介する九州大学大学院・地球社会統合科学府の提携講座が10月5日、始まりました。初回は東アジア交流史を研究する伊藤幸司准教授による「15~17世紀の東南アジアと日本」と題した講義でした。9世紀以降、東シナ海や南シナ海では華人海商が華僑ネットワークを作り、貿易活動のメイン・プレーヤーとして活躍していました。14世紀の中葉以降、明朝(中国)の朝貢・海禁体制の導入に伴い、華人海商が東南アジアと日本を直接結ぶようになって交流が盛んになったことが、朝鮮や日本に残る歴史史料から読み取れるそうです。生涯に何度も行き来をした人がいたことも分かっています。ヨーロッパから人や物が渡ってくる通り道ともなった「南蛮」は、世界とつながる日本の窓だったと思うと、より興味が増す気がします。提携講座は毎月第1土曜の13:30~15:00です。
       ◇
 10月 5日 15~17世紀の東南アジアと日本                伊藤幸司准教授
 11月 2日 マレーシアの日本語教育(仮)                  松永典子教授
 12月 7日 東南アジアの自然資源の利用:課題と展望             百村帝彦准教授
  1月11日 東南アジア地域の近現代:植民地化と独立             鬼丸武士准教授
  2月 1日 日本とシンガポール:日本語教育からみた日本・シンガポール交流史 郭俊海教授
  3月 7日 東南アジアと雲南:その歴史と文化(仮)             長谷千代子准教授

 お申し込みはこちらから。

 


過去を知り、現在を理解するための 知の六輪の花束

九州大学文学部提携講座

 「ヨーガ」と言えば日本でも健康法として知られていますが、本来はシヴァ教やヴィシュヌ教、仏教といったインドの様々な宗教と結びついた修行法の一つです。九州大学文学部の提携講座、4月20日の今年度初回の講義は、片岡啓准教授による「ヨーガから見直すインド宗教史の3000年」でした。ヨーガは限られた文献についての研究しかされて来ず、色々な文献の研究が進むようになったのはここ数十年ぐらいのことだそうです。近年普及している「ハタヨーガ」の起源が、これまで考えられていたものとは違っていたことも、最近分かったばかりだとのこと。今後も世界的に広がり続けそうなヨーガですが、歴史研究でこれからどんなことが分かってくるか、興味深いです。
      ◇
 西洋やアジアの諸思想を専門にする六人の研究者たちが、それぞれ一輪ずつ、ぜんぶで六輪の知の精華をあなたに届けます。やさしく、わかりやすく語りますから、心配しないで聴講を楽しんでください。六輪のどの花も彩りが全く違っていますが、今あなたが立っているこの社会と文化の土台をふかく問いかけるものです。毎月第3土曜13:30~15:00です。

 4月20日 ヨーガから見直すインド宗教史の3000年 片岡  啓准教授(インド哲学史)
 5月18日 西田幾多郎と鈴木大拙           横田 理博教授(倫理学)
 6月15日 社会的集団に関する形而上学的考察     倉田  剛准教授(哲学)
 7月20日 ことばと哲学               吉原 雅子准教授(倫理学)
 8月17日 仏教とインドの死者供養の文化       岡野  潔教授(インド哲学史)
 9月21日 明堂──王朝をささえるコスモロジー    南澤 良彦教授(中国哲学史)

 お申し込みはこちらから。

 


ヨーロッパ世界を変えた食文化

 ヨーロッパの奥深い「食」の世界がどのように形作られてきたのかを見ていく新講座「ヨーロッパ世界を変えた食文化」。初回の4月19日は九州産業大学の安永信二教授による「ヨーロッパ料理を決めた食材と調味料」でした。パンとワイン、オリーブ油、ハーブという基本的な食材について、古代メソポタミアのギルガメシュ叙事詩やギリシャ神話まで遡り、由来を学びました。こうした食材が4000年以上の歴史を経てきていることを思うと、いつも何気なく口にしている料理の味が一層深みを増す気がします。古代エジプトのピラミッド建設現場では労働者にニンニクを支給したという記録があるそうですが、日本の「古事記」にも大蒜を食していたという記述もあり、薬草・香草としての活用の仕方に通じるものがあるのでは、というのも興味深い話でした。第3金曜の10:30~12:00。6~8月は西南学院大学の武末祐子教授に担当していただきます。

       ◇

 4月19日 ヨーロッパ料理を決めた食材と調味料              九州産業大学国際文化学部・安永信二教授
 5月17日 古代ローマの飽食と帝国崩壊後のヨーロッパ料理         九州産業大学国際文化学部・安永信二教授
 6月21日 ビール文化とワイン文化                    西南学院大学文学部・武末祐子教授 
 7月19日 メと呼ばれるコース、アントルメと呼ばれる余興について     西南学院大学文学部・武末祐子教授 
 8月 2日 フレンチコースにおけるデザートの誕生:デザートはなぜ甘いのか 西南学院大学文学部・武末祐子教授 
 9月20日 新しい食材の発見と世界の変動                 九州産業大学国際文化学部・安永信二教授

 お申し込みはこちらから。

 


アメリカン カントリーダンス

 カウボーイハットにウエスタンブーツというウエスタンスタイルで軽快にステップを踏む「アメリカン カントリーダンス」。華麗な足さばきが格好いいですね。難しそうに見えますが、講師のNatalie先生が基礎から指導、足運びを覚えればすぐ踊れるようになります。周りの人と一体になってリズムに乗れば、1曲終わるころにはうっすらと汗が。年齢に関係なく楽しめるうえ、体力作りにもなりますよ。第2・第4木曜の14:00~15:30です。

 お申し込みはこちらから。動画もご覧いただけます。

 5月23日(木)に1日講座があります。どうぞご体験ください。
 


日本人のルーツを考える

ー古墳時代の渡来人ー

 「日本人のルーツを考える」、昨年度の「弥生時代の渡来人」に続いて、今年度は「古墳時代の渡来人」を見ていきます。4月13日の新シリーズ初回では、福岡大学の武末純一教授に「土器と渡来人」という題で話していただきました。古墳時代も渡来人との交流は活発でした。福岡市の西新町遺跡からは朝鮮半島系と日本式の遺物が大量に発掘されており、ここでは加耶系・百済系の渡来人と倭人が混住していたと見られます。朝鮮半島にも同時期の日本の土器が出土する地域があり、双方から人が頻繁に往来していた様子がうかがわれます。交流の主目的と思われるのは鉄の交易です。半島で作られた鉄素材が、関西まで運ばれて加工されたと考えられる研究成果もあり、福岡はその対外交易ルートを結ぶ中心にあった訳です。福岡は、はるかな昔から国際交流の拠点だったのですね。当時の人々がどのように会話をかわし、一緒に生活していたのか、想像するだけでも楽しくなります。

       ◇

 古墳時代には日本列島のほぼ全域にわたる倭(やまと)政権が成立し、中国では三国時代から南北朝の時代、朝鮮半島でも高句麗・百済・新羅・加耶が分立する競合の時代になります。この古墳時代にも海外から日本に来た人々が大きな役割を果たし、技術革新をもたらしました。大半の渡来人のルーツは朝鮮半島です。また逆に、主に北部九州から海外に渡来し、現地で活動した人々もいました。今回は古墳時代を前期・中期・後期の3つの時期に分け、そうした渡来人の様相と役割を考古学(土器)や人骨の研究成果から明らかにします。毎月第2土曜13:30~15:00(7月は第3土曜)。

 4月13日 土器と渡来人(1)―古墳時代前期― 福岡大学人文学部・武末純一教授
 5月11日 土器と渡来人(2)―古墳時代中期― 福岡大学人文学部・武末純一教授 
 6月 8日 馬具と渡来人   ―古墳時代中期― 福岡大学人文学部・桃﨑祐輔教授 
 7月20日 人骨からみた渡来人(1)      土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム・松下孝幸館長
 8月10日 人骨からみた渡来人(2)      土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム・松下孝幸館長 
 9月14日 土器と渡来人(3)―古墳時代後期― 大野城市教育委員会・上田龍児氏


 お申し込みはこちらから。

 


漢字書道

~基本から作品つくりへ

 教室に入ると、墨のよい香りにハッとします。最近は市販の墨汁をそのまま使うことが多いようですが、この講座では硯で墨を摺る時間も含めて「ゆっくりと、書を愉しむ」ことを大事にしています。受講者の皆さんはそれぞれ、競書誌に出す作品を練習したり、自分で書きたい字を好きなように選んで書き、自宅で書いてきたものも含めて、講師の大塚啓香さん(福岡県美術協会会員)に見てもらいます。「この入りはいいですね」「まっすぐな線はこのように」「前より大らかになって良くなってますね」。上達するには目標があった方がいいそうで、公募展などに出品するのであれば「厳しく指導します」と大塚さん。ただ、自分なりに楽しんで書きたいという人でも大いに歓迎とのこと。初歩のお習字から創作まで、希望に応じた指導を受けられます。和やかな雰囲気の講座、一度覗いてみませんか。第1・第3土曜の10:00~12:00です。


 お申し込みはこちらから。

 


時(とき)の文化史と地球史

九州大学大学院・地球社会統合科学府提携講座

 5月からの新元号は「令和」(れいわ)となりました。典拠となったのは万葉集とされていますが、大伴旅人の手によるという序文は、中国の「文選」に収められた「帰田賦」(きでんのふ)を踏まえたものという説が有力です。「時(とき)の文化史と地球史」、4月6日の初回は東英寿教授の「漢文と元号」と題した講義でした。東教授によれば、「令和」は中国の「五経」のうち「礼記」(らいき)に「發號出令而民説、謂之和」とあり、ここを典拠と考えることもできるそうです。国書を典拠とすることは首相に強いこだわりがあったようですが、そもそも元号を定めること自体が独立した歴史を持つということ。国書ということを強調しすぎるのは良くないのでは、と東教授。「帰田賦」に大伴旅人が自らの思いを重ねて梅花の歌の序文を詠み、両者の関係を踏まえて元号を選んだと考える方が、確かにより共感できる気がします。日中のように、漢文を通して文化の交流が図れる間柄というのは他に例がありません。「令和」の世も「世界と美しく和する」時代としたいものです。

       ◇

 今年は、元号が平成から令和に改まります。元号は、中国で生み出された時間(年)の表示方法で、いまや日本にしか残されていない伝統です。元号に代表されるように、人びとは目に見えない時間に名前を定めて表記しようとしてきました。こうした営みは、歴史や文学などの文化にも大きな影響を及ぼしています。また、発掘等の調査で出土した遺跡や遺物の年代を特定するのも、人と時間との対話と言えます。さらに、人びとは人類誕生以前の地球の歴史(時間)についても、さまざまな手法を駆使して追究しようとしてきました。本講座では、改元というタイミングにちなみ、時(とき)をキーワードにして、文化史と地球史の視角から、人や地球と時間との関わりについて紹介していきます。毎月第1土曜13:30~15:00(5月は第2土曜)。


 4月 6日 東 英寿教授    「漢文と元号」
 5月11日 伊藤 幸司准教授  「いくつもの時間がある中世日本」
 6月 1日 仙田 量子准教授  「地球史とはどのように調べられているのか?」
 7月 6日 林 辰弥助教    「現代の「氷河期」はいつから始まったのか?」
 8月 3日 田尻 義了准教授  「遺跡の年代の決め方」
 9月 7日 松本 常彦教授   「近代日本の夜の変容と文学」
  ※いずれも仮題です。

 お申し込みはこちらから。