斉田季実治の気象の話 - 夏の暑さと集中豪雨(2) | 講座レポート | 女子力レッスン | 朝日カルチャーセンター
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斉田季実治の気象の話 - 夏の暑さと集中豪雨(2)

開催日時:2014年6月7日(土)13:00-14:30

地球温暖化って本当?

地球の温暖化については、その説を肯定する側と懐疑する側それぞれの主張をスライドで示しながら、いずれにしても、気温上昇・集中豪雨などといった異常気象傾向のなか、CO2を少しでも減らしていく努力は必要であるというご自身の見解や、気象キャスターとして地球温暖化をどのように伝えていけばよいのかといったかなり深い部分までのお話をされていました。

「現在起きている自然災害の被害を減らすための情報を提供していくことが気象キャスターの役割であると感じる」という言葉からは、斉田さんの気象キャスターとしての誇りや使命感といったものが滲み出ているような気がしました。

天気予報は三部構成

天気予報というものは(1)原因(2)結果(3)行動の三部構成で出来ているといった前提から始まり、実際の放送では時間に限りがあったり急に変更になったりするので原因から行動までの全ては伝えられないこと、原稿は書かず自分の頭で伝えるべきことの優先順位をつけて臨機応変に行っていること、天気予報に『ところにより』が必要となる地理的な理由や『ところにより』が発生する地域での予報の難しさなど、具体例を挙げてのお話が続き、天気予報の裏側で気象キャスターが日々奮闘している様子がリアルに伝わってきました。

また、このテーマの最後に斉田さんが発した「天気予報は無料だと思われている方は多いと思いますが、気象衛星にどれ程の税金が投じられているかを考えてみて下さい。皆さんもっと天気予報を活用しなくてはいけませんよ」の言葉にはなるほど、と頷かされました。

ではなぜそれ程の税金を投じて気象衛星が打ち上げられているのか、というところからテーマは防災へと移っていきます。

天気予報の大きな目的は防災

前回の講義の時に、国土交通省ハザードマップポータルサイトを紹介したという斉田さん。今回リピート参加の方が多いことから、ハザードマップを見たことのある人に挙手をしてもらったところ、前回参加者を下回る結果となり、ややショックを受けていらっしゃいました。

「いくらテレビで警報を流して注意を喚起しても、それを見ている人の置かれている環境と一致していなければ意味がありません」

「最後に判断するのは自分自身なので、ハザードマップや防災アプリ、自治体のメールサービスなどを積極的に利用して、日頃から防災意識を高めておくことが重要なのです」

大きな川沿いに住みながら洪水ハザードマップをチェックしたことがなく、兵庫県で震災を経験したにも関わらず防災アプリを入れていないレポーターには耳の痛い言葉が続きます。

「正しい情報と知識が自分や大切な人を守るのです」

やはり長年気象キャスターを務めていらっしゃる斉田さんのこの言葉には重みがありました。レポーターも帰宅後すぐにハザードマップポータルサイトを訪問し、自分の住む町の防災情報を確認しました。

講師プロフィール

斉田 季実治(サイタ キミハル)。北海道大学で海洋気象学を専攻し、在学中に気象予報士資格を取得。北海道文化放送の報道記者や民間の気象情報会社勤務などを経て2006年からNHK気象キャスター。現在は「首都圏ニュース845」「NEWS WEB」に出演中。著書に『天気予報の大研究』(共著、PHP研究所)、『いのちを守る気象情報』(NHK出版新書)などがある。


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