考古学からみた倭と東アジアの交流史  古墳時代編

  • 韓国・光州市 月桂洞1号墳(前方後円墳)
  • 高久 健二(専修大学教授)
講師詳細

 日本列島の古墳時代は、大型前方後円墳の造営が示すように、畿内地域における王権が確立していく国家形成期に当たります。また、古墳時代は「対外交流の時代」とよばれるように、中国大陸や朝鮮半島と政治的・経済的・文化的な交流が盛んにおこなわれ、国家形成に不可欠な様々な文化・技術がもたらされました。これらの新来文化のなかには、現代日本文化の基礎になっている要素も少なからずみられます。
 この講座では、古墳時代と同時期である朝鮮三国時代の文化を概説するとともに、古墳時代の日本列島における渡来系文化の受容について考えてみようと思います。(講師・記)
2017年2月開講。

<各回のテーマ>
7/27 韓国栄山江流域の古墳文化と前方後円墳-馬韓の古墳文化-
日本固有の前方後円墳が、韓国にも存在することが明らかとなっています。その分布の中心地である栄山江流域の墓制を検討し、韓国の前方後円墳の意味について考えます。

8/10 北部九州における渡来系文化-筑前・筑後・豊前地域の対外交流-
朝鮮半島と隣接する北部九州各地域の渡来人の集落や渡来系文物をとりあげて、古墳時代の北部九州と朝鮮半島の交流関係について論じます。

9/28 中国・北陸地域における渡来系文化-吉備と若狭の渡来系文物-
中国・北陸地域のうち、とくに渡来系文化が多くみられる吉備地域と若狭地域をとりあげて、瀬戸内側と日本海側における対外交流について論じます。


※※「古墳時代編」すべてのテーマ予定※※

第1回 高句麗の文化(1)-都城と寺院-
中国東北部から朝鮮半島北部・中部に分布する高句麗の都城と寺院をとりあげて、高句麗王都の姿を概観します。

第2回 高句麗の文化(2)-積石塚と壁画古墳-
中国・吉林省集安地域や朝鮮・平壌地域に存在する高句麗前半期の積石塚や後半期の壁画古墳をとりあげ、その出現と展開・拡散過程について論じます。

第3回 新羅の文化(1)-都城と寺院-
新羅王都の慶州地域に存在する宮殿跡・山城跡・寺院跡をとりあげて、王京の様相について論じます。

第4回 新羅の文化(2)-積石木槨墓と横穴式石室墓-
慶州地域の大型積石木槨墳と横穴式石室墓をとりあげて、古新羅時代の古墳文化について論じます。

第5回 百済の文化(1)-都城と寺院-
百済の都である漢城・熊津・泗沘における都城遺跡と寺院跡をとりあげて、王都の構造や仏教文化について論じます。

第6回 百済の文化(2)-積石塚・塼室墓・横穴式石室墓-
百済の都である漢城・熊津・泗沘における古墳文化をとりあげて、その変遷過程と特徴について論じます。

第7回 加耶諸国の文化(1)-金官国・安羅国・古自国-
加耶前期の盟主国である金官国、その西側の安羅国・古自国の古墳文化について、各地域の王墓群をとりあげて論じます。

第8回 加耶諸国の文化(2)-大加耶国・多羅国・比自火国-
加耶後期の盟主国である大加耶国とその南側の多羅国、さらに洛東江東岸の比自火国の古墳文化について、各地域の王墓群をとりあげて論じます。

第9回 古墳時代前期の対外交流-金官加耶国との交流-
3~4世紀代における日本列島と朝鮮半島の交流、とくに金官国との交流関係について、半島の倭系文物と列島の加耶系文物から論じます。

第10回 古墳時代中期の新来文化-横穴式石室とカマドの出現-
古墳時代中期(5世紀)に取り入れられた横穴式石室とカマドという墓制と生活様式について、東アジアとの比較を通して論じます。

第11回 古墳時代中期の技術革新-須恵器生産の開始-
登窯を使って土器を焼く技術が古墳時代中期(5世紀)に朝鮮半島から導入されました。日本列島における窯業生産の展開過程と系譜について論じます。

第12回 古墳時代における馬文化の系譜-東アジアの馬具-
日本列島における馬文化の系譜について、朝鮮半島や中国東北部の馬具資料との比較を通して論じます。

第13回 韓国出土の倭系遺物からみた日韓交流-海を渡った倭の文物-
韓国の遺跡から出土する日本列島産の文物を通じて、古墳時代における日韓の相互交流について論じます。

第14回 韓国栄山江流域の古墳文化と前方後円墳-馬韓の古墳文化-
日本固有の前方後円墳が、韓国にも存在することが明らかとなっています。その分布の中心地である栄山江流域の墓制を検討し、韓国の前方後円墳の意味について考えます。

第15回 北部九州における渡来系文化-筑前・筑後・豊前地域の対外交流-
朝鮮半島と隣接する北部九州各地域の渡来人の集落や渡来系文物をとりあげて、古墳時代の北部九州と朝鮮半島の交流関係について論じます。

第16回 中国・北陸地域における渡来系文化-吉備と若狭の渡来系文物-
中国・北陸地域のうち、とくに渡来系文化が多くみられる吉備地域と若狭地域をとりあげて、瀬戸内側と日本海側における対外交流について論じます。

第17回 畿内地域における渡来系文化(1)-大阪湾沿岸の渡来人集落―
大阪湾沿岸の蔀屋北遺跡など古墳時代中期の渡来人集落の実態について概観し、畿内地域の渡来人たちの役割について論じます。

第18回 畿内地域における渡来系文化(2)-古墳に見られる渡来系要素―
新沢126号墳など渡来系遺物が多くみられる古墳をとりあげて、畿内地域の首長層における渡来系文化の受容について論じます。

第19回 中部地域における渡来系文化―信濃と甲斐の積石塚と馬文化-
内陸地域である中部地域の渡来系文化のうち、とくに積石塚と馬文化をとりあげて、その特徴について論じます。

第20回 上野における渡来系文化―榛名山東南麓一帯の渡来人集落-
群馬県高崎・渋川周辺の遺跡にみられる渡来系文化に着目して、榛名山東南麓一帯における渡来人集団の実態について論じます。

第21回 北武蔵における渡来系文化-埼玉古墳群の渡来系文化-
埼玉県行田市の埼玉古墳群にみられる渡来系文化をとりあげて、北武蔵の首長層と朝鮮半島との交流関係について論じます。

第22回 東北地域における渡来系文化-福島と宮城の渡来系文物-
朝鮮半島から遠く離れた東北地域における渡来系文化導入の様相について、福島と宮城の渡来系文物をとりあげて論じます。

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み
日程
2019/7/27, 8/10, 9/28
曜日・時間
指定の 土曜 15:30~17:15
回数
3回
受講料(税込)
会員 8,748円 
持ち物など
必要なレジュメは当日教室にて配布します。
その他
☆日程にご注意ください。
☆2017年2月開講。途中受講も歓迎です。

講師詳細

高久 健二(タカク ケンジ)
1967年生まれ。九州大学大学院文学研究科修士課程修了、韓国・東亜大学校大学院史学科博士課程修了・文学博士取得。九州大学大学院比較社会文化研究科助手、埼玉大学教養学部准教授を経て、現在、専修大学文学部教授。専門は韓国・朝鮮考古学、東アジアの古墳文化。著書:『楽浪古墳文化研究』(学研文化社)