イスラームの多様性 イスラーム文明とアラブ文化

  • 加藤 博(一橋大学名誉教授)
講師詳細

イスラームは、歴史的にも今日的にも、多様に展開している。それは狭い宗教としてではなく、一つの文明として展開してきたからである。そのイスラームについて、日本人はそれをアラブ文化と重ねあわせて考えることが多い。つまり、イスラームは中東の、そしてそのなかでもアラブ人の宗教だとするのである。しかし、これは誤解を招く考えである。宗教であっても、ひとが実践するのであるから、アラブ人が信仰するイスラームに、彼らの文化が反映することに不思議はない。しかし、そもそもイスラームという宗教は預言者ムハンマドがそのもとで育ち、生活したアラブ文化を否定し、それを乗り越えることを出発点とした。この事実を知ることは、その多様性を知り、イスラームを複眼的にみるための第一歩である。そこで、本稿では、イスラームとアラブ文化との関係を理論的ならびに歴史的に検討してみよう。(講師記)
※最後の30分は質疑応答に充てます。

お申し込み
日程
2019/10/19
曜日・時間
土曜 15:30~17:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 3,960円

講師詳細

加藤 博(カトウ ヒロシ)
1948年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程終了。77~79年、82~84年カイロ大学留学。東京大学東洋文化研究所助手、東洋大学文学部人文科学科助教授、一橋大学経済学部助教授、一橋大学経済学部教授を経て、現在に至る。経済学博士。専門はエジプトを中心とした中東社会経済史、イスラム社会論、文明論。著書に 『イスラムVS.西欧の近代』(講談社現代新書)、『イスラム世界の経済史』(NTT出版)、『イスラム世界の常識と非常識』(淡交社)、『イスラム世界論―トリックスターとしての神』(東京大学出版会)他多数。