古事記1日体験 古事記序文研究史の陥穽(かんせい)

  • 画像は国会図書館デジタルコレクションより
  • 矢嶋 泉(青山学院大学名誉教授)
講師詳細

 古事記は和銅五年に成立した現存最古の史書として知られるが、同時代正史である続日本紀には古事記成立に関する記事が一切見えない。成立の経緯を記す唯一の資料が上巻冒頭に付された序文であることから、江戸時代以来偽作説が繰り返し提出されてきた。本講座では、改めて序文偽作説の核心となる根拠と論理を確認した上で、序文偽作説のしかけた巧妙な陥穽(落し穴)に古事記研究史がみごとに陥れられる仕儀となった経緯と、そこから抜け出すに至った道筋を辿る。

★初めてご参加の方には「『古事記』を読むための基本参考文献」プリントをおわたしできます。受付へお声がけください。


※月2回の常設講座「古事記を読み解く」もあります。

【常設講座 全テーマ(予定)】 ※全30講を5期かけて進めます。今期は第3期です。

第1期(終了)
1 古事記はどのように読まれてきたか1 ―迷走する古事記研究史―
2 古事記はどのように読まれてきたか2 ―宣長の呪縛からの脱却―
3 下巻から読み解く古事記の構造1 ―仁徳記ⅰ―
4 下巻から読み解く古事記の構造2 ―仁徳記ⅱ―
5 下巻から読み解く古事記の構造3 ―履中記・反正記―
6 下巻から読み解く古事記の構造4 ―允恭記―

第2期(終了)
7 「古事記の表現世界」(古事記をより深く足るためのガイド1)
8 下巻から読み解く古事記の構造5 ―安康記・雄略記ⅰ―
9 下巻から読み解く古事記の構造6 ―雄略記ⅱ・清寧記―
10 下巻から読み解く古事記の構造7 ―顕宗記・仁賢記・武烈記―
11 下巻から読み解く古事記の構造8 ―継体記ⅰ―
12 下巻から読み解く古事記の構造9 ―継体記ⅱ・安閑~推古記―

第3期
13 「古事記序文研究史の陥穽」(古事記をより深く足るためのガイド2)
14 中巻から読み解く国家史の構想1 ―神武記―
15 中巻から読み解く国家史の構想2 ―綏靖~開化記・崇神記ⅰ―
16 中巻から読み解く国家史の構想3 ―崇神記ⅱ―
17 中巻から読み解く国家史の構想4 ―垂仁記―
18 中巻から読み解く国家史の構想5 ―景行記ⅰ―

第4期
19 「天武朝の古事記・元明朝の古事記」(古事記をより深く足るためのガイド3)
20 中巻から読み解く国家史の構想6 ―景行記ⅱ・成務記―
21 中巻から読み解く国家史の構想7 ―仲哀記―
22 中巻から読み解く国家形の構想8 ―応神記―
23 上巻から読み解く国家史の構想1 ―伊耶那岐・伊耶那美二神の国作り―
24 上巻から読み解く国家史の構想2 ―三貴子の誕生~天石屋―

第5期
25 「古事記と日本書紀」(古事記をより深く足るためのガイド4)
26 上巻から読み解く国家史の構想3 ―八俣遠呂智退治~根之堅州国―
27 上巻から読み解く国家史の構想4 ―大国主神の国作り―
28 上巻から読み解く国家史の構想5 ―葦原中国の言向け~天孫降臨―
29 上巻から読み解く国家史の構想6 ―花之佐久夜毘売~鵜葺草葺不合命―
30 まとめ ―〈小帝国の史書〉古事記―

この講座は終了しました
日程
2019/10/2
曜日・時間
第1・3 水曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 3,960円
持ち物など
必要な資料は当日教室にて配布いたします。
■参考テキスト
矢嶋 泉『古事記の歴史意識』(吉川弘文館)
矢嶋 泉『古事記の文字世界』(吉川弘文館)
沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉『新校 古事記』(おうふう。現在、品切れ状態)
※あくまで参考図書です。必要なレジュメは教室にて配布します。

★初めてご参加の方には「『古事記』を読むための基本参考文献」プリントをおわたしできます。受付へお声がけください。

講師詳細

矢嶋 泉(ヤジマ イヅミ)
1950年生。東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程中退。博士(文学)。高知大学、聖心女子大学を経て、青山学院大学教授。2019年3月に定年退職。現在、青山学院大学名誉教授。主な著書:『古事記の歴史意識』(吉川弘文館、2008年)、『古事記の文字世界』(吉川弘文館、2011年)、『新校 古事記』(共編、おうふう、2015年)、『風土記』(共編、山川出版社、2016年)など。