ベートーヴェン探訪 「ヴァルトシュタイン」の謎

  • 仲道郁代さん ©Kiyotaka Saito 
  • 仲道郁代さん©Kiyotaka Saito
  • 平野昭さん
  • 仲道 郁代(ピアニスト)
  • 平野 昭(音楽評論家)
講師詳細

1803年から「英雄様式期」と呼ばれる傑作の爆発的生産期(傑作の森)に突入したベートーヴェン。奇しくもこの年、高音域に広く、且つ自在にダンパーを操作できるペダルを装備した最新式のピアノが贈られた。
この最新の機能を生かして最初に作った曲が≪ヴァルトシュタイン≫。全3楽章は交響曲にも匹敵する規模となり、友人たちの助言を聞き入れ、205小節に及ぶ「ヘ長調」の第2楽章
を破棄して、わずか28小節の「導入部」に置き換えた。この直後、ソナタ形式でもロンド形式でもなく、ただ2つの楽章を並べただけの、不思議なソナタ、「ヘ長調」ソナタOp54を作曲した。
なぜなのか。
 ベートーヴェン作品の演奏と解釈に情熱と愛情そして深い洞察力をもつ仲道郁代さんとこれら一連の「へ調」連鎖について、ピアノを使って検証しながら考えたいと思います。            (平野講師・記)

お申し込み
日程
2020/3/12
曜日・時間
木曜 18:30~20:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,960円 一般 4,620円

講師詳細

仲道 郁代(ナカミチ イクヨ)
桐朋学園大学1年在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、増沢賞を受賞。ジュネーヴ国際音楽コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際音楽コンクール第5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始。古典からロマン派まで幅広いレパートリーを持ち、人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして活動している。CDはソニー・ミュージックジャパンと専属契約を結び、レコード・アカデミー賞受賞CDを含む「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集」や、「モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集」ほか多数リリース。著書に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。2018年よりベートーヴェン没後200周年の2027年に向けた「仲道郁代Road to 2027プロジェクト」をスタート、リサイタルシリーズを展開している。一般社団法人音楽がヒラク未来代表理事、一般財団法人地域創造理事、桐朋学園大学教授、大阪音楽大学特任教授。
オフィシャル・ホームページ http://www.ikuyo-nakamichi.com

●Road to 2027 第2回 「悲哀の力」
4月12日(金)19時開演 兵庫県立芸術文化センター
5月26日 (日)14時開演 サントリーホール
曲目 ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、ブラームス:「8つのピアノ小品」、シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番
平野 昭(ヒラノ アキラ)
1949年横浜生まれ。武蔵野音楽大学大学院修了。静岡文化芸術大学名誉教授、沖縄県立芸術大学客員教授、桐朋学園大学特任教授。前慶應義塾大学文学部教授。18~19世紀の西洋音楽史研究。特にドイツ語圏の作曲家作品研究が専門領域。とりわけベートーヴェンの全作品の分析的研究。『ベートーヴェン』(新潮社)、『人と作品:ベートーヴェン』(音楽之友社)、『音楽キーワード事典』(春秋社)、『ベートーヴェン事典』(東京書籍・共著)、『ベートーヴェン大事典』(平凡社・監修と共訳)等。音楽評論家として放送出演や「毎日新聞」等執筆。