古代末期地中海世界におけるペスト大流行 
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  • 倉橋 良伸(電気通信大学講師)
講師詳細

ペストといえば西洋中世における大流行が有名です(黒死病)。しかし、既に五賢帝時代末期と540年代に本格的な流行が発生しています。本講では特に後者のパンデミックに関して詳しく見ていくことにしましょう。
 ユスティニアヌスは西方領域の再征服で知られる皇帝ですが、大流行はまさにその治世にエジプトで始まります(541年)。皇帝が心血を注いだ紅海交易が中央アフリカから病原菌をもたらしたようです。地中海沿岸だけでなく内陸部分まで被害は拡大し猖獗を極め、皇帝自身も感染し生還しますが、帝国の全人口の三分の一が失われたと推計されます。最悪期の帝都コンスタンティノポリスでは、一日に一万人もの命が失われました。
皮肉なことに、大流行は再征服戦争に伴う経済的消耗と連動して帝国を著しく疲弊させます。栄光と転落は背中合わせだったのです。(講師記)

この講座は終了しました
日程
2021/11/13
曜日・時間
土曜 13:00~15:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 4,400円
設備費(税込)
165円
その他
教室は変更になる場合があります。当日ロビーの教室案内でご確認をお願いします。

講師詳細

倉橋 良伸(クラハシ ヨシノブ)
1962年生まれ。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。専攻は、後期ローマ・初期ビザンツ帝国史。著書に『地中海世界史Ⅰ 古代地中海世界の統一と変容』、『歴史学の現在5 再生する終末思想』(以上共著・青木書店)、『古代地中海世界 古代ギリシア・ローマ史論集』(共著・清水弘文堂)、『彷徨-西洋中世世界』(共著・南窓社)、『躍動する古代ローマ世界』(編著・理想社)など。