大乗仏教入門

  • 初転法輪像(サールナート考古博物館)
  • 吉村 誠(駒澤大学教授)
講師詳細

 釈尊(ブッダ)の教えは弟子たちに継承され、その一部は大乗仏教に結実しました。中国を経て日本に伝来した仏教は、ほとんどすべてが大乗仏教です。この講座では、大乗仏教の思想と歴史を、代表的な経典を読みながら解説します。

2019年4月期 -『法華経』の世界
 『法華経』は東アジアで最もよく読まれている経典の一つです。この経典が人気を博するのは、読む者が奇抜なストーリーや巧みな譬喩を楽しむうちに、おのずと仏教の高邁な理念に気づかされるからでしょう。また『法華経』には観音菩薩の功徳も説かれており、その部分は『観音経』の名で広く親しまれています。
4~6月は、最澄や日蓮が「釈尊の正説」と仰いだ『法華経』を読み、その三大思想である一乗妙法・久遠本仏・菩薩行道について考察します。 


2019年7月期 -こころの仏教
大乗仏典には「こころ」を主題とする経典が数多く存在します。その先駆けとなった『華厳経』は、心こそが真理の入口であると説きました。ここから「唯識(ゆいしき)」と「如来蔵(にょらいぞう)」という二つの傾向が生じます。唯識思想は、心は煩悩を生じる根源であり、それを変革しなければ悟りは得られないと説くもの。如来蔵思想は、心は本来清らかなものであり、すべての人に悟りの可能性があると説くものです。
心の本性は清らかなのか、否か――
7~9月は、心の仏教の濫觴(らんしょう)である『華厳経』と、如来蔵思想を称揚する『涅槃経』と『勝鬘経』を取り上げ、それらの思想を考察したいと思います。 

<各回のテーマ>
 4月18日 誰もが仏になれる―『法華経』方便品を読む
 5月16日 永遠のブッダ―『法華経』如来寿量品を読む
 6月20日 菩薩とは誰か―『法華経』観世音菩薩普門品を読む
 7月18日 法界と衆生心―『華厳経』を読む
 8月29日 仏性とは何か―『涅槃経』を読む
 9月19日 如来蔵の譬え―『勝鬘経』を読む

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み
日程
2019/4/18, 5/16, 6/20, 7/18, 8/29, 9/19
曜日・時間
第3 木曜 13:30~15:00
回数
6回
受講料(税込)
会員 17,496円 
その他
8月は第5木曜に授業があります。

講師詳細

吉村 誠(ヨシムラ マコト)
1969年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在、駒澤大学教授。著書に『中国唯識思想史研究―玄奘と唯識学派―』(大蔵出版、2013年)、訳書に『続高僧伝Ⅰ』(大蔵出版、2012年)、主な論文に「唯識の思想史的意義」(『新アジア仏教史7 中国Ⅱ 隋唐』、佼成出版社、2010年)、「中国唯識思想史の展開」(『シリーズ大乗仏教7 唯識と瑜伽行』、春秋社、2012年)などがある。