寛喜の飢饉と貞永式目

  • 木村 茂光(東京学芸大学名誉教授)
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1230年(寛喜2)ころより続いた気候異常によって、翌年寛喜3年には京都を中心に大規模な飢饉が起こった。そのような状況のなかで、1232年(貞永1)年9月、最初の武家の法典である『貞永式目』(関東御成敗式目)が制定された。
 一方、その『貞永式目』追加法第115条に、
  一 人倫売買の事、禁制重畳(何度も禁止している)、而して寛喜の飢饉の時、相宥(ゆる)さるるか。とあるように、この寛喜の飢饉の時には、命を長らえるために一時的に人身売買が許されたことがわかる。幕府はすぐに禁止したが、これが前例となって、中世では人身売買が水面下で継続することになった。本講座では、寛喜の飢饉の実態を明らかにするとともに、飢饉と『貞永式目』制定との関係、さらには中世における人身売買の具体像について講義する。

この講座は終了しました
日程
2019/9/3
曜日・時間
火曜 15:30~17:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,240円 一般 3,888円
持ち物など
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講師詳細

木村 茂光(キムラ シゲミツ)
1946年生まれ、大阪市立大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、東京学芸大学名誉教授。専門は日本中世史、前近代農業史。主な著書・編著に、『日本古代中世畠作史の研究』(校倉書房)、『ハタケと日本人』(中公新書)、『「国風文化」の時代』(青木書店)、『初期鎌倉政権の政治史』(同成社)、『日本初期中世社会の研究』(校倉書房)、『日本中世百姓成立史論』(吉川弘文館)、『中世社会の成り立ち』(吉川弘文館)など、新著に『頼朝と街道-鎌倉政権の東国支配-』(吉川弘文館)、『歴史から読む『土佐日記』』(編著、東京堂出版)がある。