近代文学を読み直す 幸田露伴「風流仏」

  • 小森 陽一(東京大学名誉教授)
講師詳細

 日本の近代文学作品の中から、今あらためて読みたい作品を取り上げ、読み解いていくシリーズ講座です。近代という時代を見つめ直しながら、作家の生涯や作品の社会的文脈をたどり、その魅力と文学史上の意味を明らかにします。※2019年4月期開講。
 今期は、幸田露伴『風流仏』を読みます。
『風流仏』は1889(明治22)年9月に、『新著百種』という文学雑誌に発表された同年の処女作『露団々』につぐ第二作です。愛する女性に似せて若い彫刻師が彫った仏像に、生命が吹き込まれるという、恋愛と芸術の秘儀を仏教の枠組みの中でとられたこの小説で、露伴の文名は一気に認められることになりました。露伴の家は幕臣で、有職故実に詳しく、伝統的な文化の素養は幼いときから培われていました。明治日本に未だ成立していなかった「芸術家」という、ヨーロッパのロマン主義文学の主題を、仏像彫刻師という職人の中に見い出すという、独自の観点が、露伴文学の特質であることを読み解いていきます。(講師記)

<2019年度に予定している作品>
2019年4月期(終了) 『浮雲』 二葉亭四迷
2019年 7月期(終了) 『舞姫』 森鴎外
2019年10月期(今期) 『風流仏』 幸田露伴
2020年 1月期 『にごりゑ』 樋口一葉
(変更になる場合もあります。どうぞご了承ください)

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み
日程
2019/10/31, 11/7, 12/5
曜日・時間
第1 木曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 8,910円 
持ち物など
■講義は『風流仏』幸田露伴著(岩波文庫)をもとに進めます。絶版のため、アマゾンなどで早めにご購入いただくか、図書館で借りるなどしていただきますようお願いいたします。どうしても手に入らない方は事務所にご相談ください。
その他
10月のみ第5木曜です。ご注意ください
※講師都合により日程が変更となる場合がございます。予めご了承ください。

講師詳細

小森 陽一(コモリ ヨウイチ)
1953年生まれ。北海道大学大学院文学研究科修了。成城大学文学部助教授、東京大学助教授・教授を経て現職。著書に『構造としての語り』(新曜社)、『読むための理論 文学・思想・批評』(世織書房)『知の技法』(共著・東京大学出版会)、『ことばの力・平和の力 近代日本文学と日本国憲法』(かもがわ出版)、『難民(思考のフロンティア)』(共著・岩波書店)。『戦後日本は戦争をしてきた』(共著・角川書店)、『理不尽社会に言葉の力を』『戦争への想像力』『生きさせる思想-記憶の解析・生存の肯定』(新日本出版社)、『天皇の玉音放送』(朝日新聞出版)、『漱石論 21世紀を生き延びるために』(岩波書店) 、『東アジア歴史認識論争のメタヒストリー』(共著・青弓社)、『壊れゆく世界と時代の課題』(共著・岩波書店)などがある。