ユーラシア考古学の最前線

  • アルタイのミイラ「プリンセス」
  • ズルマラ
  • 兵馬俑
  • 林 俊雄(東洋文庫研究員)
  • 新井 才二(総合研究大学院大学 特別研究員)
  • 下釜 和也(古代オリエント博物館研究員)
  • 角道 亮介(駒澤大学准教授)
  • 岩本 篤志(立正大学 准教授)
全ての講師
講師詳細

 新聞、テレビなど、マスメディアに登場することが最も多い学問は何でしょうか。それは考古学です。ためしに1週間、ご購読の新聞から考古学に関係する記事を切り抜いてみてください。すぐに何本かの記事が集まることでしょう。それだけ考古学には記事にする値打ちのある話題が多いということです。でも日本以外となると、それほど多くはありません。
 本講座では、一般にはあまり知られていないものの、考古学・歴史ファンの興味を引くこと間違いなしのテーマを選びました。どうかご堪能を。(林講師記)

※11/2は、トルコ共和国文化観光省 「2019 ギョベクリテペ年」記念といたしまして、
この回のみご受講いただけます。(受講料 会員3,300円、一般3,960円)
下記URLをご参照ください。
https://www.asahiculture.jp/course/yokohama/d714babd-18f6-db99-c367-5d4cf914dd91

①10/5 アルタイのミイラ「プリンセス」の謎に迫る
  東洋文庫客員研究員・創価大学名誉教授 林 俊雄

 1993年、ロシア領アルタイ山中の凍結した古墳から、ミイラ化した女性の遺体が発見された。その皮膚には、スキタイ風の空想上の動物が刺青されていた。すぐに遺体はシベリアの中心部にある研究所に移送され、分析と研究が行われた。ところがそれ以降、アルタイでは地震や洪水など自然災害が相次いで起こった。はたしてそれはミイラの呪いなのか。シャマンたちの返還要求は、中国とロシアという大国をも巻き込む大騒動を引き起こすことになったが、その結末は?

②10/19 牧畜の誕生と内陸アジアの開発―東西交流の起源
総合研究大学院大学特別研究員  新井 才二

 ヒツジ/ヤギの飼養を中心とした牧畜の形態は、今から1万年ほど前に西アジアで成立しました。その結果としてユーラシア内陸部のステップや山岳地帯の開発が可能となり、東西交通路の確立に重要な役割を果たしました。本講座ではこれらの動物の家畜化から、アジアの各地に広がっていった過程を、近年の調査成果を基にして紹介します。

③※11/2 世界最古の神殿?―ギョベクリテペ遺跡と新石器革命―
   古代オリエント博物館研究員 下釜 和也

 トルコ・アナトリア高原で発見された奇妙な巨石建造物が世界に衝撃をもたらしました。今から約1万1千年前、農耕以前の狩猟採集民が残したギョベクリ・テペ遺跡です。その発掘成果をめぐって学界では議論が続く中、2018年にはユネスコ世界遺産に登録されたばかり。ギョベクリ・テペ遺跡を紹介しながら、私たち現代世界の食生活とも無縁ではない西アジア新石器時代の最新研究とその意義を考えます。

④11/16 始皇帝陵への道ー兵馬俑の発見と秦王墓の変遷ー
   駒澤大学准教授  角道 亮介

 1974年、西安市の東郊で偶然発見された土製の兵馬は、今から2000年以上も前に秦の始皇帝の陵園を守るため作られた地下の大軍団でした。始皇帝陵をめぐる近年の発掘成果に触れながら、秦の王墓の変遷と始皇帝の革新性に迫ります。

⑤12/21 シルクロードの仏教伽藍―ウズベキスタンを中心にー
   立正大学准教授 岩本 篤志

 ウズベキスタンの最南部の町テルメズの仏教遺跡(2世紀頃創建) は、シルクロードの交易ルート上に位置し、仏教を東方に伝える役割を担いました。近年色鮮やかな壁画が発見されたカラテパ遺跡や近接するズルマラという仏塔(2世紀頃創建)からは東西文化の融合がうかがえます。現在も発掘中のこれらの遺跡の最新情報を紹介します。


この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み
日程
2019/10/5, 10/19, 11/2, 11/16, 12/21
曜日・時間
土曜 13:00~14:30
回数
5回
受講料(税込)
会員 14,850円 
その他
※11/2は、トルコ共和国文化観光省 「2019 ギョベクリテペ年」記念といたしまして、この回のみご受講いただけます。(受講料 会員3,300円、一般3,960円)

講師詳細

林 俊雄(ハヤシ トシオ)
 1949年、東京都中野区生まれ。1972年、東京教育大学文学部、卒業。1979年、東京大学大学院博士課程、単位取得退学。古代オリエント博物館研究員、創価大学文学部教授などを経て現職。専門は中央ユーラシアの考古学・歴史学。著書に『ユーラシアの石人』(雄山閣、2005)、『グリフィンの飛翔』(雄山閣、2006)、『スキタイと匈奴』(講談社、2017)、『遊牧国家の誕生』(山川出版社、2009)。趣味はクラシック音楽の鑑賞と演奏(ビオラ)。

新井 才二(アライ サイジ)
 1988年、埼玉県秩父市生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、日本学術振興会特別研究員PD。専門は西アジア・中央アジアの動物考古学。アゼルバイジャン、イラン、ウズベキスタン、キルギス、トルコをフィールドとして毎年発掘調査に従事している。論文に「骨角器インダストリーに見る新石器化の一側面─技術選択と原材料からの検討─(2014年)」、「キルギス共和国、中世アク・ベシム遺跡の動物経済について(2016年)」など。

下釜 和也(シモガマ カズヤ)
 1978年長崎県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、古代オリエント博物館研究員。専門は西アジア考古学。シリア、アゼルバイジャン、トルコにおいて新石器時代〜青銅器時代遺跡の発掘調査に参加。共著書に『土器のはじまり』(同成社、2019)、共訳書に『バビロニア都市民の生活』(同成社、2010)、『図説人類の歴史 古代の科学と技術』(朝倉書店)など。
角道 亮介(カクドウ リョウスケ)
1982年生まれ。千葉県出身。専門は中国考古学。北京大学考古文博学院への留学中、陝西省の周公廟遺跡にて西周時代遺跡の発掘調査に参加。2013年に東京大学大学院にて博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、2014年より現職。主な著書に『西周王朝とその青銅器』(六一書房)、『地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国』(東方書店、共著)、『北京大学版中国の文明1 古代文明の誕生と展開(上)』(潮出版社、翻訳)など。
岩本 篤志(イワモト アツシ)
 1970年、静岡県生まれ。早稲田大学文学研究科博士後期課程(東洋史)満期退学後、財団法人東洋文庫、新潟大学に勤務。2009年に早稲田大学文学研究科にて博士(文学)取得。2012年から立正大学に勤務。専門は中国古代史、内陸アジア史。敦煌文献の研究に従事していた期間が長い。近6年はウズベキスタンでの仏教遺跡の調査にも従事。著書・論文に『唐代の医薬書と敦煌文献』(角川学芸出版、2015年)、「南ウズベキスタンの仏教遺跡に関する諸問題-立正隊の活動によせて」(『立正大学文学部論叢』第141号、2018年)など。