アメリカ映画に見る歴史と文化

  • 前田 絢子(フェリス女学院大学名誉教授)
講師詳細

アメリカ映画の魅力とは、何でしょうか。ダイナミックな画面や波乱万丈のストーリーを追うのは、たしかに胸躍る体験です。でも映画はそれだけでなく、可視化された画面を通して、知らない場所や知らない時代の知識を与え、別世界を擬似体験させることで視点の転換をもたらすことがあります。製作者は、そこに重要なメッセージを込めているのが普通です。本講座では、映画の意図やこだわりに目を向け、そこに隠されているはずの伏線を探りながら、壮大なアメリカの歴史と文化に目を向けていきたいと思います。講座では、アメリカの建国当時からスタートして、時代を追ってアメリカの歴史・文化を鮮やかに伝える名画を鑑賞していきます。
今期は、巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督による1985年公開映画『カラー・パープル』を取り上げる。現代アメリカの代表的黒人女性作家であるアリス・ウォーカーの同名小説で、ピューリツァー賞受賞作品の映画化である。舞台は、1900年代前半のアメリカ南部で、人種差別を合法とするジム・クロウ法が社会全般にまかり通っていた。それは、白人による人種差別だけでなく、男性中心の家長主義の下で女性が蔑視される黒人社会で、勇気を持って闘い続けた女性たちの物語であり、ウォーカーの自伝的な色合いが極めて濃い。
講座では、同作家によるエルヴィス・プレスリーを主人公とした短編「1955年」も取り上げる。作品の政治的背景は、”Black Lives Matter”といった現代の社会問題と直接に繋がる。今日的視点から、これらの作品の歴史的背景を探っていきたい。 (講師・記)

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お申し込み
日程
2021/4/9, 5/14, 6/11
曜日・時間
第2 金曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,009円 
設備費(税込)
495円
持ち物など
・当日、プリント資料を配布いたします。
・筆記用具をお持ちください。
その他
この講座の受講料には音楽使用料が含まれています。

講師詳細

前田 絢子(マエダ アヤコ)
東京生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。早稲田大学文学研究科博士課程修了。現代アメリカ文学・文化を専攻し、特にアメリカ南部研究に関わる。フェリス女学院大学教授を経て、現職。エルヴィス・プレスリーの研究家として知られ、1998年にミシシッピ大学で開催されたエルヴィス・プレスリー世界会議にはゲスト・スピーカーとして招かれて講演を行う。エルヴィス関係の著書やCDライナーノーツなど多数。著書に『エルヴィス雑学ノート』(ダイヤモンド社)、『ミステリー・トレインで行くスカーレットの故郷』(フェリス・ブックス)、『エルヴィス、最後のアメリカン・ヒーロー』(角川選書)、訳書に『エルヴィスが社会を動かした』(マイケル・T・バートランド、青土社)など。