吾妻鏡を読む 着々と進む奥州合戦の準備
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  • 清水 由美子(中央大学兼任講師)
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 『吾妻鏡』を読み進める講座です。同書は鎌倉幕府とその時代の歴史を知る根幹資料です。九条兼実や藤原定家などの公家の日記などがその編纂材料となっていますが、幕府や北条氏の立場での記述が多く、単なる編年体の日次記事としてではなく、行間の陰影や背後の事情を読み取っていく必要があり、それが面白さにつながります。同時代の史料や文学作品にも広く目を配り、人物の関係も丁寧に押さえながらじっくりと読んでいきます。
 今期は文治四年(一一八八)五月からの記事を読みます。義経を匿う秀衡亡き後の奥州藤原氏、頼朝、後白河院の三者の間の駆け引きが繰り広げられ、ついに泰衡追悼の院宣が出され、一気に緊張感が増していく時期の幕府の様子が綴られています。(講師記)

<各回のテーマ>
第1回:文治四年(一一八八)五月・六月 鬼界島征圧と常陸房の訴え
第2回:文治四年(一一八八)七月   頼家の鎧着初の儀
第3回:文治四年(一一八八)八月   波多野義景と岡崎義実の対決
第4回:文治四年(一一八八)九月   城長茂のその後
第5回:文治四年(一一八八)十月   義経追討の宣旨到着
第6回:文治四年(一一八八)十一月  頼朝、従兄弟との面会
第7回: 文治四年(一一八八)十二月  義経追悼の院宣の到着



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日程
2023/1/5, 1/19, 2/2, 2/16, 3/2, 3/16, 3/30
曜日・時間
指定の 木曜 15:00~16:30
回数
7回
受講料(税込)
会員 20,790円 
設備費(税込)
1,155円
持ち物など
指定テキストはありません。プリントを配布します。

講師詳細

清水 由美子(シミズ ユミコ)
1957年神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科日本文化研究専攻日本語日本文学専門分野博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、中央大学、成蹊大学、清泉女子大学等非常勤講師。専門分野は、日本中世文学、軍記物語。著書『平家物語を繙く』(単著、若草書房、2019年)、『校訂延慶本平家物語 十二』(共著、汲古書院、2010年)。論文「『平家物語』と『吾妻鏡』―横田河原合戦をめぐって」(中央大学文学部紀要『言語・文学・文化』123、2019年3月)など。