西洋哲学史入門  現代哲学の起点⑤実存主義

  • 樋笠 勝士(慶応大学言語文化研究所所員)
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 カントに始まるドイツ哲学は、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルと続くロマン主義的な哲学をつくり、唯心論の哲学となります。この観念論が、通常の生活を生きるわれわれ人間の現実感覚から離れた超越志向的な世界観をもつがゆえに、これに対抗する思想として、現実的なものを探究する「生の哲学」が登場します。ショーペンハウエル、ニーチェ、ベルクソン、デュルタイ、ジンメルなどが「生」をとらえなおしますが、時代は科学の時代に入り、これが後押しする形で、唯心論に対抗する物質主義の思想として、唯物論が現れます。英米哲学もまた実用主義の動きを見せますが,大陸では大戦の経験から生の現実を問う動きも登場します。そこで無意識を扱う精神分析という心理学的哲学の流れがでてきます。他方で、事実学的な心理主義を批判する現象学も登場します。いずれも、大戦をめぐる激動の時代の中で、哲学のあり方を再考する営みでした。この営みは、「生の哲学」の延長線上として、生きにくい時代を生きぬくための新たな哲学を生み出します。それは他でもない「わたし」を大切にする実存主義です。この思想は我々の問いにどのように応えてくれるのでしょうか。これを問います。
(講師・記)


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2021/1/1, 1/2, 1/3, 1/4, 1/5
曜日・時間
第1週 金曜 09:00~10:00
回数
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教材費(税込)
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講師詳細

樋笠 勝士(ヒカサ カツシ)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程。専門は、西洋哲学・美学芸術学・記号論。現在、慶応大学言語文化研究所兼任所員。新プラトン主義協会会長。中世哲学会理事。美学会委員。論文に「ストア学派の記号論」、「アウグスティヌスにおける光の位相」、訳註に「シャンポーのギョーム『命題集』(『中世思想原典集成』7巻、平凡社)」、バウムガルテン『形而上学』(成城大学)など。