文学として読む古事記

  • 金井 清一(京都産業大学名誉教授)
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 第12代景行天皇段の倭建命物語(伝説)を読んでいきます。この天皇代は大部分ヤマトタケルという英雄の物語です。彼は西征と東征とを行なって天皇統治の範囲を拡大します。しかし、ヤマトタケル自身は父天皇から疎外され、望郷の思いを抱きつつ客死します。
人間味溢れる英雄物語を、誰が、いつ、どうして、どんな必要があって、虚構・創作したのでしょう。「古事記」の本質にかかわるこの難問を考えていきましょう。(講師・記)

※ご新規の方は、電話お申し込みにて承っております。


講義内容(予定) 2019年秋

10月14日 古事記と天武天皇
-もし天武天皇がいなかったら『古事記』は今この世に存在していないだろう。『古事記』には天武天皇の政治や歴史思想が反映している。そればかりではない。天武天皇の性格までも反映しているのが『古事記』である。古事記はいかなる書物か?それを天武天皇から抽き出して考えてみよう。-

10月28日 倭比売命の霊威
-姨の倭比売命に授かった草那芸劔と火打石が、やがて倭建命の危急の難を救う。倭比売命が倭建命の東征物語に登場する理由はどこにあるのだろう。-

11月11日 尾張国のミヤズ比売と結婚の約束
-尾張国は東征の対象ではなかった。倭建命の東征にとって尾張国は、そしてミヤズ比売はどういう関係にあったのか。-

11月25日 相武の焼遣(やきづ)の火難
-古事記の焼遣は相武国、書紀では焼津は駿河国。どっちが正しい。また、此処で倭建命を救った草那芸劔の名を再考しよう。-

12月9日 弟橘比売命の入水
-東征に従軍する弟橘比売命とは如何なる女性か。呪術信仰と人間的愛情とがないまぜになっている古代的な悲劇-

12月23日 「あずまはや」の嘆きと「吾妻(あづま)」の地域
-「あづま」とは一体何処だろう。古事記と日本書紀との「あづま」が違うのは、倭建命(日本武尊)の東征物語の本質的な相違による。-

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お申し込み
日程
2019/10/14, 10/28, 11/11, 11/25, 12/9, 12/23
曜日・時間
第2・4 月曜 10:15~11:45
回数
6回
受講料(税込)
会員 17,820円 
持ち物など
<テキスト>各自ご用意ください。「古事記」岩波文庫 字の大きいワイド版もあります。ほか、講師
作成のプリント資料を当日配布します。

その他
※ご欠席時の配布資料は、後日センター受付カウンターにてお受け取りください。

講師詳細

金井 清一(カナイ セイイチ)
東京大学文学部卒業。同大学院博士課程修了。東京女子大学教授を経て京都産業大学教授。2002年4月、名誉教授。上代文学専攻。著書に『万葉詩史の論』『日本の文学 古典編 古事記』『万葉集全注 巻第九』、共著に『鑑賞 日本の古典 古事記・風土記・日本霊異記』など。