「神曲」を読み解くために①②③ オンライン講座

  • 藤谷 道夫(慶應義塾大学教授)
講師詳細

「神曲」を読み解くために全3回シリーズ講座です。 
【①1月22日 時代考証の重要性】
誰もが見慣れた最後の晩餐の図ですが、これは聖書の記述を正しく反映したものではありません。レオナルドの時代の理解なのです。このように世の中で一般に信じられているものと現実との間には大きな乖離があります。人は古代のものを自分の時代の色眼鏡を通して理解するからです。キリストの磔刑図もその典型です。古代ローマの磔刑は絵画や彫刻に表わされたものとは異なります。とりわけ中世の人々は時代考証という発想が存在せず、何でも当時の延長で捉え、史実と伝説の区別もできませんでした(異なる座標に位置する恒星を動物の姿と理解する星座がそうです)。実は、時代考証の観念の有無こそが中世と近代を分かつ指標となります。いわゆるトゥルースとポスト・トゥルースの違いです。残念ながら現代はネットの普及により、再び中世のポスト・トゥルースの時代に先祖返りしてきています。現代の中世化です。この授業では、最新の考古学的な知見を織り込みながら、一般に世の中で信じられているものが都市伝説(ポスト・トゥルース)に過ぎないものであることを立体的な視点から証明していきます。

【②概説「神曲」地獄篇】
ダンテの『神曲』地獄篇を主に次の3点から概観します。
1.ダンテの地獄とはどのようなものか。(読者が誤って抱いている通念を正しながら、解説していきます。)
2.地獄篇全体のあらすじ。(登場人物であり主人公である作者ダンテが行なう地獄下りの旅は、心の地図をたどるルートマップでもあります。従って、ダンテの旅路は心の旅路を象徴しています。)
3.地獄篇各歌章に隠された作者ダンテの意図。(各歌章はそれぞれ一話完結の短編小説のようなものとなっています。そして推理小説のように、最後に読者の予想を超えた結末が隠されています。このため、解説なしには作者ダンテの「本当の狙いや意図」をうかがい知ることができません。本講座では時間の都合上、とりわけ第27歌に絞って、読者に隠された真の意図を解説します。第27歌の《どんでん返し》に驚かれることになるでしょう。

【③概説「神曲」煉獄篇】
ダンテの『神曲』煉獄篇を主に次の観点から解説します。
ダンテの煉獄とは何を意味し、何をする場なのか。これまで日本でダンテの煉獄が正しく解説されたことはありません。そのため、煉獄に対する誤った理解を正しながら、煉獄篇を解説していきます。具体的に言えば、以下の3点です。
①地獄と煉獄の違いは何か。
②浄めるとはどういうことなのか。
③どのようにして浄めるのか。その手段や方法は何なのか。
ダンテの彼岸の旅は、教皇ボニファーティウス8世の大贖宥と結びつけられがちですが、それはダンテの意図とは正反対のものです。主に煉獄篇の5歌を取り上げて、煉獄界の正しい認識に迫ります。
(講師記)

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※藤谷先生の講座は第2週に「ダンテ『神曲』を読み解く」もあります。
https://www.asahiculture.jp/course/tachikawa/b3340527-bffc-7bea-bac6-5f1f92bcc8d5

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※2回目の講義時間が13:00-14:30となっていました。申し訳ありません。正しくは13:00-15:00です。11/27

日程
2021/1/22, 2/5, 3/26
曜日・時間
金曜 15:30~17:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,240円 一般 12,540円
設備費(税込)
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講師詳細

藤谷 道夫(フジタニ ミチオ)
慶應応義塾大学文学部仏文科卒。筑波大学大学院博士課程文芸言語研究科文学(西洋古典学)専攻課程修了。イタリア給費留学生としてフィレンツェ大に留学。ギリシャ神話の他、ルクレーティウスを始めとするラテン詩からダンテまでを科学と文学と哲学の視点から研究している。朝日カルチャーセンター新宿教室、横浜教室、立川教室で『神曲』の講義を継続中。著書に『ダンテ『神曲』における数的構成』(慶応義塾大学出版会)、訳書に、マリーナ・マリエッティ著『ダンテ』(白水社クセジュ文庫)、『神曲』地獄篇第1歌-第17歌(河出書房新社)などがある。