「遠野物語」の魅力を探る  話としての「オシラサマ」と信仰としての「おしら神」の両面から

  • 「佐々木家のおしらさま」(遠野福泉寺保管、遠野市立博物館第41回特別展『オシラ神の発見』より)
  • 小田 富英(『柳田國男全集』編集委員)
講師詳細

 『遠野物語』に出てくる馬に恋する娘の悲話「オシラサマ」は、話としては面白いのですが、その深層を探ろうとすればするほど泥沼にはまってしまい、『遠野物語』最大の難問です。
テーマ別にその魅力を探ってきたこの講座も11回目となり、終盤のクライマックスを迎え、皆さんと共にこの難関にチャレンジしてみたいと思います。
 中国古代にルーツを求めるのか、異類婚姻譚の話として位置づけるのか、シャーマニズムの露出として考えるべきなのか、論は数え切れずにありますが、言えることはただ一つ、このままでは忘れ去られてしまうという危機感です。
 柳田国男は、昭和3年3月18日、成城に建てたばかりの終の棲家に八戸のイタコを呼び、自宅にあるオシラサマで「おしら遊ばせ」をして、毎年の行事とすることを決意します。単なる回顧趣味ではなく、同じような危機感があったにちがいありません。わが国の文化継承のあるべき方向性を考えながら読んでみたいので、初めての方も大歓迎です。お待ちしています。 (講師記)

この講座は終了しました
日程
2020/6/29
曜日・時間
月曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,080円 一般 4,180円
設備費(税込)
165円

講師詳細

小田 富英(オダ トミヒデ)
東京学芸大学卒。36年間東京都公立小学校教員を勤めた後、作新学院大学特任教授を経て、現在『柳田国男全集』編集委員、日本地名研究所『地名と風土』編集長、遠野市立遠野文化研究センター研究員、常民大学運営委員、全面教育学研究会会員、『遠野物語』で交流を楽しむ会(『遠野物語』交流楽会)代表など。共著:『柳田国男伝』(三一書房)、『口語訳 遠野物語』(河出文庫)、『犯罪の民俗学 2』(批評社)、『わいわい学級』(現代書館)、『地域に根ざす民衆文化の創造―「常民大学」の総合的研究』(藤原書店)など。論文:「初稿本『遠野物語』の問題」(国文学)、「柳田国男おじいさんのメッセージ」(『毎日小学生新聞』連載)、「平地人とはだれか」の三回連載(『伊那民俗研究』『遠野学』)、「『遠野物語』と遠野郷民俗誌の間」(『地名と風土』第13号)、「新渡戸稲造と柳田国男」(『新渡戸稲造の世界』第28号)など多数。
2019年3月に新しい柳田国男の「年譜」を、筑摩書房から刊行中の『柳田国男全集』別巻Ⅰとして発表した。また、『地名と風土』で「地名学習のすすめ」を連載中。