世界遺産をめざす「飛鳥・藤原の宮都」の値打と魅力―6
前方後円墳天皇陵から方墳天皇陵へ
- 教室開催
- 木下 正史(東京学芸大名誉教授)
推古天皇は薄葬を命じて、350年間、造り続けられてきた伝統的な前方後円墳の築造をやめ、天皇陵に中国王陵に倣って方墳を採用する。古墳は規模を縮小し、古墳文化は終焉へと向かっていく。薄葬の命令は、冠位十二階制・憲法十七条の制定、遣隋使の派遣、国史の編纂、仏教興隆の詔などと共に、推古朝の新しい国づくりをめざす政治改革の一翼をなすものであった。「飛鳥・藤原」では、この時期の天皇陵は構成資産に含まれていないが、石舞台古墳は同時期の天皇陵の特徴をよく窺わせている。石舞台古墳のほか、植山古墳(推古初葬陵)、都塚古墳など関連する大型方墳を取り上げ、それらの特質を探りつつ、伝統と革新の両様相を示す飛鳥時代初期文化の特質と意義を考えてみたい(講師記)。
- 日程
- 2022/8/25
- 曜日・時間
- 木曜 15:30~17:30
- 回数
- 1回
- 受講料(税込)
- 会員 3,300円 一般 4,400円
- 設備費(税込)
- 165円
- 持ち物など
- 資料を配布します。
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講師詳細
- 木下 正史(キノシタ マサシ)
- 1941年東京都生まれ。東京教育大学卒業。同大学院修士課程修了。日本考古学専攻。奈良国立文化財研究所、東京学芸大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。主な著書に『古代日本を発掘する―飛鳥藤原の都―』『飛鳥・藤原の都を掘る』『藤原京』など。