能に見る母子の恩愛
- 小林 健二(国文学研究資料館名誉教授)
能は約600年前に大成された芸能で、古典文学に登場する有名な人物を主人公として作劇されていますが、市井の人々が登場する曲もあり、今も人気曲として上演されています。中でも物狂い能と呼ばれる種類の曲は、母親が生き別れとなった我が子を芸能者となって捜し求めるという筋書きをもった能で、母子の恩愛を描いています。その内の代表的な三曲を選んで鑑賞していきます。
【カリキュラム】
第1回 「百万」 女物狂いの芸尽くし、そして我が子との再会
第2回 「桜川」 我が子を川に流れる桜の花びらに例えて舞う
第3回 「隅田川」子を捜して隅田川までやってきた母を待つ運命は
- 日程
- 2021/4/26, 5/24, 6/28
- 曜日・時間
- 第4 月曜 10:15~12:15
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,900円 一般 13,200円
- 設備費(税込)
- 495円
- その他
- ※LUMINEは当面11時開店です。開店前は1階からエレベーターで9階までお越しください。
講師詳細
- 小林 健二(コバヤシ ケンジ)
- 日本の中世文芸、とくに室町時代に成立した能・狂言などの芸能や幸若舞曲といった語り物、そして御伽草子と呼ばれる室町期の物語と、それが書かれた絵巻・絵本の研究を専門とする。また、中世文芸を研究すると共にその面白さを分かり易く社会に発信することを心がけている。代表的な著書に『中世劇文学の研究ー能と幸若舞曲』 (平成11年、三弥井書店)があり、それにより博士(文学)を取得。また、『描かれた能楽ー芸能と絵画が織りなす文化史』(平成31年、吉川弘文館)は絵画資料を用いた能楽研究として高く評価されている。2019年3月まで国文学研究資料館研究部教授、同年4月より名誉教授。