イギリス、歴史の交差点をたどる

  • 川成 洋(法政大学名誉教授)
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 イギリスは、われわれにとって、ヨーロッパの中で最も親しみやすい国である。ユーラシア大陸の東端の海上に浮かぶ日本が、同じユーラシア大陸を挟んでその西端の海上に浮かぶイギリスに親近感を抱いているとは不思議と言えば不思議な話である。明治維新以来近代化を進める日本を牽引してきたのは、紛れもなくイギリスだった。
 確かにイギリスと日本は共通点がある。立憲君主制、議院内閣制、二院制、小選挙区制、といった根源的な政治制度であるが、今や日本のそれは。激しく動く無思想のために混迷を重ねている。今、もう一度「イギリス人の叡智」を確認するために、政治、秘密情報部(20世紀の2つの世界大戦との関係)、王室(3人の女王の時代)、文学の4分野を歴史的に検討してみたい。 

7/24    イギリスの政治
国民が政治に関与する総選挙。選挙権および被選挙権を国民が平等に権利として持つべきである、それがイギリスの政治のスタートである。同一選挙区での世襲禁止、選挙運動費の上限厳守(これを破れば7年間の公民権の停止)、汚職議員を出した選挙民の責任(ダーテイ・プロット「汚れた選挙区」)に対する懲罰――このような厳しい総選挙で国会議員が選ばれている。

8/28    イギリスの王室
王室と3人の女王の関係、国難に際して女王として国家に貢献した役割を歴史的に解説する。
エリザベス1世(在位1558~1603)
ヴィクトリア女王(在位1837~1901)
エリザベス2世(在位1952~  )
 
9/11   イギリス秘密情報部-007は本当の話だった!
国内担当はMI5, 海外担当はMI6。この2つの組織は、公式には20世紀初頭に誕生したが、20世紀の2つの世界大戦に勝利に導いた。ちなみに、ヨーロッパにおいて、両大戦における戦勝国となったのは、イギリスのみである。こうした組織は、国家機関としては長続きしないものである。イギリスは経験論の国であるが、やはり長続きはしなかった。

9/25   イギリスの文學
明治初年以来、我が国の文化や教育といった精神生活に最も影響を与えたのは、イギリス文学であった。  シェイクスピア学者でもある坪内逍遥を嚆矢として夏目漱石、芥川龍之介、正宗白鳥、国木田独歩、石川達三といった「近代文学」の錚々たる作家たちはすべて英文科卒業生であった。日本の文学者に影響を与えたイギリス文学はどんな作家で、作品であったのか。16世紀以降の主要な作家・作品を解説する。

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日程
2020/7/24, 8/28, 9/11, 9/25
曜日・時間
第2週・第4週 金曜 14:00~15:30
回数
4回
受講料(税込)
会員 12,320円 
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■別途資料代をいただく場合があります。

講師詳細

川成 洋(カワナリ ヨウ)
1942年札幌生まれ。現在、法政大学名誉教授、アジア・ユーラシア総合研究所顧問、社会学博士(一橋大学)。専門は、スペイン現代史、現代イギリス文学。『スペイン文化事典』(共編、丸善出版)、『イギリス文化事典』(共編、丸善出版)、『日本文化事典』(共著、丸善出版)、『スペイン・ポルトガルを知る事典』(共著、平凡社)、『社会学事典』(共著、弘文社)、『現代日本旭人物事典』(共著、朝日新聞社)、『日本アナキズム運動人名事典』(共著、ぱる出版)、『日本歴史大辞典』(共著、小学館)、『民間学事典』(共著、三省堂)、『ドン・キホーテ事典』(共著、行路社)、『ケルト文化事典』(共著、東京堂出版)、『20世紀全記録』(共著、講談社)などがある。