元素はどのように生まれてきたのか

  • 郡 和範(高エネルギー加速器研究機構准教授)
  • 長瀧 重博(理化学研究所長瀧天体ビッグバン研究室主任研究員)
  • 青木 和光(国立天文台TMT推進室准教授)
  • 上坂 友洋(理化学研究所上坂スピン・アイソスピン研究室主任研究員)
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講師詳細

地球上に存在する普通の物質の構成要素である元素は、宇宙の歴史において、どのようにつくられてきたのでしょうか。この問いは、人類の知的好奇心をくすぐり続けてきました。それはとりもなおさず、我々はどこから来たのかという問題に深く関係するからではないでしょうか。最近の天文学・宇宙物理学・物理学における人類の理解の急速な発展は、元素の起源に対して、たいへんドラマチックな解答を与えています。今回の講座ではこれら最新の話題を全4回に拡大して、分かりやすく解説します。(郡・記)

第1回 11/2(土)「宇宙の始まりのビッグバン元素合成」= 郡 和範
宇宙が生まれてまもない頃、宇宙はビッグバンと呼ばれる大爆発のような火の玉につつまれていました。宇宙膨張でだんだん冷えてゆき、1万分の1秒ほど経った頃、陽子と中性子が誕生し、さらに3分ほど経ったころ、ついにヘリウムが合成されました。こうした宇宙誕生時の元素合成について解説します。

第2回 11/30(土)「星の中での元素合成」= 長瀧 重博
大きな星では我々の身体の形成に必須の元素が生成され、超新星爆発という現象によって宇宙空間にこれらの元素が撒き散らされます。本講演では大きな星でどのようにこれらの元素が生成されるのか、超新星爆発は何故起こるのかなどについて分かりやすく解説します。

第3回 12/14(土)「宇宙にある元素を測る」= 青木 和光
宇宙にはどんな元素がどのくらいあるのか。この情報の多くは星の光を分析することによって得られます。宇宙誕生から現在まで、さまざまな時代に生まれた星に含まれる元素を調べると、宇宙の歴史を紐解くことができます。酸素や鉄のようなよく知られた元素から微量元素まで、宇宙における元素の測り方をご紹介します。

第4回 2020年1/11(土)「実験室で新しい元素をつくる」= 上坂 友洋
これまでの講義で3人の先生が宇宙で様々な元素がつくられていることを紹介されてきました。宇宙の偉大さを思うと万感胸に迫るものがありますが、人類も負けてはいないのです。加速器という最先端装置を用い、地球上で新しい元素・同位体を作る挑戦を日々続けています。ニホニウム合成を始めとする、日本が世界に誇る重イオン加速器RIビームファクトリーでの最近の進展について易しく解説します。

お申し込み
日程
2019/11/2, 11/30, 12/14, 1/11
曜日・時間
土曜 15:30~17:30
回数
4回
受講料(税込)
会員 14,080円 一般 16,720円
持ち物など
当日は受講券をお持ちください。
その他
※曜日・時間が変則となっています。ご注意ください。
 第3回は15:45~17:45。

講師詳細

郡 和範(コオリ カズノリ)
1970年兵庫県生まれ。現在、高エネルギー加速器研究機構理論センター准教授。2000年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。2004年、米ハーバード大学博士研究員。2006年、英ランカスター大学 研究助手、2009年、東北大学大学院助教などを経て、現職。また、総合研究大学院大学と東京大学カブリIPMUの教員も兼任。研究内容は、宇宙論・宇宙物理学の理論研究(キーワード:ビッグバン元素合成、バリオン数生成、インフレーション宇宙論、ダークマター、ダークエネルギー、ニュートリノ宇宙物理学、原始ブラックホール、重力波など)。著書に『宇宙物理学(KEK物理学シリーズ3)』(共立出版)、『宇宙はどのような時空でできているのか』(ベレ出版)などがある。
長瀧 重博(ナガタキ シゲヒロ)
1970年生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。国立天文台研究員、東京大学助手、京都大学基礎物理学研究所准教授などを経て、現在理化学研究所 開拓研究本部 長瀧天体ビッグバン研究室 主任研究員、及び理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS) 副プログラムディレクター。専門はガンマ線バースト、超新星、高エネルギー宇宙線。
青木 和光(アオキ ワコウ)
1971年生まれ。東京大学理学部天文学科卒。同大学院博士課程修了。博士(理学)。専門は恒星物理学、天体分光学。すばる望遠鏡高分散分光器(HDS)などを使った分光観測に基づき、恒星内部での元素合成と銀河進化への影響について研究。進化の進んだ巨星の質量放出現象にも興味を持つ。著書に、『物質の宇宙史‐ビッグバンから太陽系まで』新日本出版社)がある。
上坂 友洋(ウエサカ トモヒロ)
1969年大阪府生まれ。1997年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。同年博士(理学)取得。理化学研究所基礎科学特別研究員、埼玉大学理学部助手、東京大学原子核科学研究センター准教授を経て、現職。専門は原子核物理学の実験研究とNMRやMRIの感度向上を目指した超偏極技術の開発。