憲法集中セミナー伊藤博文「憲法義解」読む

  • 石川健治さん
  • 「憲法義解」岩波文庫
  • 石川 健治(東京大学教授)
講師詳細

 明治憲法起草者自らが条文に註釈を加えた伊藤博文『憲法義解』。そこには、日本に立憲主義を根づかせ、世界標準の「文明国」になって不平等条約を撤廃させるために、帝国日本の法的デザイナーたちが格闘した痕跡が刻まれています。2度にわたり西洋を見聞した伊藤をはじめ、お雇い外国人ロエスレルと互角以上にわたりあった井上毅ら、起草者たちが格闘した相手は、西洋の精神史だけではありません。それとは肌合いの違う日本の精神史との格闘も不可欠な作業でした。大正期における憲法学と立憲主義の展開により、一時本書は顧みられなくなりましたが、それが暗転した1935年の天皇機関説事件以降、再び脚光を浴びます。そして、明治憲法自体に内在する立憲主義を頼りに、塹壕戦を戦うことを余儀なくされた憲法学者・宮澤俊義が1940年に校訂して公刊したのが、岩波文庫版です。日本の立憲主義の過去・現在・未来を考えるための鍵が、今もそこには眠っています。(講師記)

お申し込み
日程
2019/11/9
曜日・時間
土曜 15:30~19:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 6,820円 一般 8,140円
持ち物など
途中休憩含む。
当日は受講券をお持ちください。
その他
授業は延長する場合もあります。

講師詳細

石川 健治(イシカワ ケンジ)
1962年生まれ。1985年東京大学法学部卒業、東京大学法学部助手。1988年東京都立大学法学部助教授。1998年東京都立大学法学部教授。2003年東京大学法学部教授。「立憲デモクラシーの会」呼びかけ人の一人。2014年末に編著『学問/政治/憲法-連環と緊張』(岩波書店)を公刊した。