植物学・基礎 身近な植物を題材に
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  • 大場 秀章(東京大学名誉教授)
講師詳細

公園や園芸店、近隣の野山などで見る身近な植物を題材にして、多様な植物のみかた、魅力を学んでいきます。植物の分類学的な見分けにもアプローチし、植物学の基礎をじっくりと身に付けていく講座です。

10月から3月まで、植物分類の思考の変遷を歴史的にたどります。

<今期のテーマ>
10月 アニキア・ユリアナ写本
‘病は気から’を否定し、効能ある‘物質(大半は植物)を投与する’治療が始まり、植物の研究が芽吹いた。紀元1世紀頃に成立したディオスクリデスの『薬物誌』の内容と、それを伝える‛アニキア・ユリアナ写本’を紹介する。

11月 アルドロヴァンディからフックス
 『薬物誌』を契機に、植物の多様性への認識が深まり、15・6世紀のルネサンス期には植物の図解法も進展し、正確に植物体のつくりや機能が記述がされ、さらに比較されるようになった。レオンハルト・フックスの著作を中心にこの時代の植物学を検討する。

12月 バスコ・ダ・ガマのインド航路発見と植物学の発展
 バスコ・ダ・ガマ(1460-1524年)の喜望峰経由でのインド航路発見以降、ディオスクリデス『薬物誌』では対応できない植物が多数ヨーロッパにもたらされたが、それらを位置付ける骨子となる分類体系がなく困窮した。この時代日本に来た学者にケンペルがいる。

<来期のテーマ>
1月 リンネとツュンベルク 
 方々に散らし置きした本を本棚に並べただけでも配架表があれば必要な本は探すのに苦労しない。植物もナンバンギセルなど、自分が見知っている植物であれば本と同様苦労はしないが、全く未知に植物は配架表があっても探せない。リンネは主に雌雄蕊を用いてどんな植物でも探索できる発見促進的な分類体系を考案した。ツュンベルクはこれを日本の植物の分類に応用した。

2月 ドゥ・カンドル
 ドゥ・カンドルは似た植物をグループ化してまとめる分類法を理論化し、その著作中で科や属毎に、分類上重要な形質は異なるなど、今日の分類学上で重要視されている見解を述べた。ベンサム・フッカーの分類体系を主導したベンサム、エングラー体系を提唱したエングラーを育てるなど、20世紀に至る分類学をリードした。

3月 系統を分類する (「植物学」最終回)
 ダーウィン以前の分類体系は、分類群間の類似性の度合いにもとづくものであった。しかし、生物界が祖先となる種(祖先種)とそれから派生した子孫種から成り立っていることが論証された現代は、祖先と子孫の系統的な関係が分類体系を構築するうえでの新たな基準となった。系統解析は系統関係を探る絶対的な分析法であり、目下活発に研究が進められている。

★写真はイメージです。

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お申し込み
日程
2021/10/6, 11/3, 12/1
曜日・時間
第1週 水曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 
設備費(税込)
495円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

大場 秀章(オオバ ヒデアキ)
1943年東京生まれ。理学博士。専門は植物分類学、植物文化史。高山や砂漠など極限環境に暮らす植物の研究を続ける。著書に『ヒマラヤを越えた花々』、『植物のたのしみ』など多数。