数学塾 ディリクレに学ぶガウスの数論入門

  • 高瀬 正仁(元九州大学教授)
講師詳細

 数学史は「数学とは何であるか」と問う学問ですから、数学と数学史は切り離すことができません。数学の理論の真実の姿は源泉に宿っていて、源泉の所在地を教えてくれるのが数学史です。この「数学塾」では、毎回ひとつのテーマを取り上げて、その理論の泉となった「一番はじめの人」の「一番はじめの作品」に沈潜して思索の流れをたどり、数学の誕生の瞬間に立ち会うことをめざします。
 ディリクレはドイツの数学者ですが、1822年月、17歳のとき、数学を学ぶためにパリに向いました。ドイツでは数学は学べないという考えによる決断でしたが、このときディリクレはガウスの著作『アリトメチカ研究(D.A.)』を携えていました。ガウスのD.A.は数学におけるディリクレのバイブルになり、絶えず座右に置いて読み続けたと言われています。そのディリクレが晩年、ガウスの後継者としてゲッチンゲン大学教授になり、数論の講義を行ったのはいかにも感慨の深い出来事でした。ディリクレ聴講者の中にデデキントがいたことも特筆に値します。ディリクレの没後、デデキントはディリクレの没後、講義ノートに基づいてディリクレの講義を再現し、『ディリクレの数論講義』を出版しました。ガウスのD.A.を読み解くディリクレの目が随所に光っています。本講座ではその様子の紹介をめざします。

《カリキュラム》
第1回(1月)
ディリクレの『数論講義』は全5章で編成されていて、全体の土台を作っているのは第1章「数の整除」と第2章「数の合同」です。オイラーの関数。フェルマの小定理とウィルソンの定理。1次不定方程式と1次合同式の3通りの解法もおもしろいです。

第2回(2月)
『数論講義』の第3章は「平方剰余」です。フェルマの小定理とウィルソンの定理の初等的証明。ルジャンドルの記号とそのヤコビによる拡張。平方剰余相互法則とその二つの補充法則。平方剰余相互法則の2通りの証明。素数の形状に関連してフェルマが発見した諸命題が報告されます。

第3回(3月)
第4章と第5章のテーマは2次形式の理論です。連分数と2次形式。ペルの方程式の解法もおもしろい話題です。この領域において、ディリクレは微積分を応用して「類数公式」を確立しました。数論に寄せるディリクレの独自の寄与で、ディリクレは解析的数論の祖になりました。

※数学塾は全3回あります。ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

※ユース学生会員はお電話の受付のみです。
※各回のお申込みも可能です。
1月のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/ca9de314-aef7-213e-5aea-5daaa01cb2a2
2月のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/18c530d7-0871-20c2-5c5b-5da682956c33
3月のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/af49c73f-36d5-4b18-3966-5daaa1821ce6

お申し込み
日程
2020/1/26, 2/23, 3/22
曜日・時間
日曜 12:30~16:45
回数
3回
受講料(税込)
会員 19,800円 一般 23,760円
その他
※休憩が入ります。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。※休憩が入ります。
・数学塾は全3回あります。ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

講師詳細

高瀬 正仁(タカセ マサヒト)
1951年、渡良瀬川上流の山村、群馬県勢多郡東村(現在のみどり市東町)に生まれる。数学者、数学史家。専攻は多変数関数論と近代数学史。東京大学を経て九州大学大学院修士課程修了。元九州大学教授。歌誌「風日」同人。著作『評伝岡潔』三部作(「星の章」「花の章」は海鳴社。「虹の章」はみみずく舎)、『高木貞治とその時代』(東京大学出版会)など。訳書『ガウス整数論』(朝倉書店)、『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』(海鳴社)、『ガウスの数学日記』(日本評論社)など。