「蜻蛉日記」を読む 或る女と男の人生史

  • 石山寺
  • 石丸 晶子(東京経済大学名誉教授)
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平安時代中期の、『蜻蛉日記』ほど面白い日記は亦とないと思います。
「藤原道綱の母」としか名前がつたわっていない著者は、摂政関白太政大臣にまで登りつめた藤原兼家の妻のひとりで、日記は高級貴族の御曹司・兼家から求婚された日の回想にはじまり、20年後、39歳になった著者の、大みそかを綴ってとじられます。ちなみに、兼家の正妻は藤原道長たちの母時姫でした。 
著者の歌は百人一首にもえらばれていますが、日記に詠まれた和歌は261首。兼家夫人として上流貴族たちと交流したり・・・。しかし幸せな日々も長くはつづきませんでした。
どうしたのでしょうか。
日記を読むと、こんなに魅力的な女性を、いつしか遠ざけるともなく遠ざけた兼家って男は、と思いたくもなりますが、著者はもっと兼家に優しくすればいいのに、とハラハラドキドキする場面もしばしば。しかし兼家への怒りや恨みつらみを著者が書けば書くほど、逆に兼家の人間的スケールの大きさと魅力が際立ってくるのですから不思議です。
上中下三巻からなる日記は、天暦8年(954)~天延2年(974)までの20年間。類いまれなこの日記を、
上巻「愛される時」・中巻「別れへの道」・下巻「夫婦の終焉」
とみて、当時の時代背景とともに味読していきたいと思います。  (講師記)

教科書:特に指定しません。毎回原文と資料を用意いたします。

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日程
2019/4/9, 4/23, 5/14, 5/28, 6/11, 6/25
曜日・時間
第2・4 火曜 15:30~17:00
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,440円 
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講師詳細

石丸 晶子(イシマル アキコ)
1935年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科および国語国文学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。2006年3月まで東京経済大学教授。著書に『式子内親王伝-面影びとは法然』(第一回紫式部文学賞受賞)、『万葉の女たち男たち』(以上、朝日新聞社)、『こだわりの大和路-花と恋の万葉集』(祥伝社)、『歴史に咲いた女たちー飛鳥の花・奈良の花』(廣済堂)その他多数。