スピノザのアクチュアリティ3
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  • 合田 正人(明治大学教授)
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 これまで二期にわたって、スピノザのアクチュアリティを多様な視点から検討してきた。それと併行して、担当者(合田)は、理学療法士を育てる機関にて、身体哲学の講義を行う機会を得て、そこでスピノザの身体論、心身問題へのスピノザの対応を語ったのだが、まだ単なる主観的感触にすぎないとはいえ、このような分野でも、あるいはそこでこそ、スピノザの発想がその力を発揮するのではないかとの印象を強く抱いた。そのような思いを抱きつつ、スピノザをめぐる現代の状況を眺めてみると、ポルトガル出身の脳科学者のアントニオ・ダマジオ(1944-)が一方でデカルトの誤りを指摘し、他方で「スピノザを求めて」という姿勢を打ち出していること、これはすでに多くの方々が知るところである。スピノザ家がポルトガル出身であることを想起してもよいだろう。しかし、それだけではない。『責任という原理』(1979)によって環境倫理学の父となったハンス・ヨナス(1903-1993)も、生命の哲学を構想する際にスピノザを援用し、しかもそこに量子力学的相補性の発想を加えて心身問題を考察したのである。更に、日本ではほとんど知られていないとはいえ、フランスの生物学者・物理学者アンリ・アトラン(1931-)も、近々、スピノザ講義を出版して、スピノザと「エピジェネティックス」と呼ばれる現代生物学の動向を対比しているのだ。今回はこのような面でのスピノザのアクチュアリティを皆さんとともに検討してみたい。(講師記)

第一回:ハンス・ヨナスの生命哲学とスピノザ
第二回:ヨナス続、ヘルマン・コーエンとスピノザ
第三回:『エチカ』と脳科学
第四回:ダマジオのスピノザ解釈について
第五回:アンリ・アトラン紹介
第六回:アトランとスピノザ

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日程
2023/1/18, 2/1, 2/22, 3/1, 3/15, 3/29
曜日・時間
第1週・第3週・第5週 水曜 19:00~20:30
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,800円 一般 23,100円

講師詳細

合田 正人(ゴウダ マサト)
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。パリ第八大学哲学科に留学。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京都立大学助教授を経て、現職。専攻は、思想史。著書に、『レヴィナスの思想-希望の揺籃』(弘文堂、改訂版はちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ――境界のラプソディー』(みすず書房)、『幸福の文法』(河出ブックス)、『フラグメンテ』(法政大学出版局)など。訳書に、レヴィナス『全体性と無限』(国文社)、『固有名』(みすず書房)、『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)、ベルクソン『講義録』(法政大学出版局)、ジャンケレヴィッチ『最初と最後のページ』(みすず書房)、ベルクソン『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二つの源泉』(筑摩書房)、レイ『レヴィナスと政治哲学』(法政大学出版局)、ジャン=クレ・マルタン『ドゥルーズ-経験不可能の経験』(河出文庫)、デリダ『エクリチュールと差異』(法政大学出版会)など。論文に、「他者と他者―フロイト・ラカン・レヴィナス」(『ラルシュ』)ほか。