西田哲学入門 私と汝

  • 小坂 国継(日本大学名誉教授)
講師詳細

われわれの意識の根底である「絶対無」に到達したあとの西田哲学は、現実の歴史的世界を絶対無の自覚的限定の世界として説くようになります。「絶対無の自覚的限定」などというと、いかにも難しいという印象をうけますが、具体的には、人格的自己である私と汝が相互に対話し問答しあう世界の内実という意味です。歴史的世界は、その創造的要素である私と汝の相互作用によって形成されていくというのが、後期の西田哲学の出発点であるのです。
前期の西田哲学が、自己の根底である「絶対無」の自覚にいたるまでの形而上学的過程の叙述であったとすれば、後期の西田哲学は、「絶対無の自覚的限定」として現実界が弁証法的に創造されていく過程を論じたものです。仏教用語でいえば、往相から還相への転回といえるでしょう。こうした転換期に、西田は歴史的現実界を、さしあたり自己と他己が相互に限定しあう世界と考えました。
こうした人格的世界がどのような世界であるか、その核心をわかりやすく解説したいと考えています。 (講師・記)

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注意事項

・休講3/28→休講6/20→補講1/1(調整中の為、仮日程です)

日程
2020/7/25
曜日・時間
土曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

小坂 国継(コサカ クニツグ)
1943年生まれ。1966年早稲田大学第一文学部卒業。1971年同大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。1986年より日本大学教授、2014年より日本大学名誉教授。専攻は宗教哲学、現代日本思想、比較思想。著書に、『西田幾多郎』『東洋的な生きかた』『環境倫理学ノート』『倫理と宗教の相剋』『近代日本哲学のなかの西田哲学』『鏡のなかのギリシア哲学』(ミネルヴァ書房)、『西田幾多郎の思想』『西洋の哲学・東洋の思想』『全注釈 善の研究』(講談社)、『西田哲学の基層』『明治哲学の研究』『新版西田幾多郎全集』(共編、岩波書店)など。