考える日本史

  • 本郷和人講師
  • 本郷 和人(東京大学教授)
講師詳細

 落語に三題噺というのがあります。お客さんから三つの言葉をもらい、はなし家がその三つを含んだ落とし話を即興で作り上げる。大名人の三遊亭円朝は「酔漢」「財布」「芝浜」の三つから、名作『芝浜』を作りました。また「卵酒・鉄砲・毒消しの護符」から『鰍沢』を作ったといいます(こちらは河竹黙阿弥の作との説もあります)。
 これにヒントを得て、ぼくは漢字一字を編集者に示してもらい、そこから発想を広げていく、という作業をやってみました。うまくいったのもありますし、初めは元気だったけれど途中で萎れてしまったものもあります。今回はうまくいったものを六つ並べて、朝日カルチャー用の講座にしてみました。もし良かったら、本郷流「歴史漫談」、聞きにおいで下さい。さて、出来やいかに?(講師・記)

第一回 「編」
国史編纂という伝統/なぜ日本には国史がないのか/歴史とは中国史のことだった日本/「南朝正統」を打ち出した水戸黄門の真意/将軍を正統な統治者とした新井白石/将軍の上に天皇がいる/史料編纂の使命とは/歴史哲学不在の国に現れた「皇国史観」/史料を編むこと、歴史を編むこと

第二回 「食」
実は粗食だった大名や貴族/日本人は本当に肉を食べたのか/武士は狩猟技術者のはずなのに/醤油の国とソースの国/実は魚にも淡泊な日本人/食と体格と健康/明治に入って激変する日本人の色

第三回 「武」
文弱といい武弱といわぬ日本/武と文のバランス-近隣国の場合/日本は武が上/本当に武士は世界水準で強かったのか/武で出世できる時代が終わって/文士の不在、哲学の不在/戦国武士の限界と、富国強兵を実現した明治

第四回 「王」
天皇は「日王」なのかという大問題/大王から天皇になった大きな意味/皇帝と並び立つ天皇の名のもとで/内向きの時代、こだわられなくなる天皇の名/一番使われたのは「院」/室町時代のトップは「王」?/「国」の概念が希有な国、日本/それぞれが「王」だった戦国大名たち/エンペラーとして承認された天皇

第五回 「笑」
名人の落語は現代でも通用するか/明治を代表する夏目漱石の笑い/権力者を楽しませる人々/利休の残したユーモアと秀吉の陰り/まじめな徳川幕府/娯楽は戦の話だった二代目将軍/稚拙なもの後ろ暗いものだった「笑」

第六回 「道」
「巨人の星」の野球道/「剣術」と「剣道」はどちらが強いのか/「名人伝」が語る道の先にある世界/黄金の道とわびさびの道/利休はその辞世でいったい何を語ったのか/利休が到達した境地/言語化されないと「道」にはなっても「学」は生まれない

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注意事項

※補講日が決まりました。6/12(金)の10:30~12:30に行ないます。

※新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、4/10は休講になりました。補講日は未定です。(1/1は調整中の為、仮日程です) 3/31記
※新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、3/13は休講、補講は4/10(金)に行ないます。

日程
2020/1/10, 1/24, 2/14, 2/28, 3/27, 6/12
曜日・時間
金曜 10:30~12:30
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,800円 
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

本郷 和人(ホンゴウ カズト)
1960年東京の下町に生まれ、下町に育つ。83年東京大学文学部卒業。86年、東京大学大学院人文科学科修士課程修了。88年東京大学大学院人文科学科博士課程単位取得。子どもの頃から歴史物語が大好き。いつの間にかそれが仕事になっていた。同業者で美人の妻(本郷恵子さん)との間に一男(タクトくん。ただし指揮者になる予定はない)一猫(黒猫アルトくん。ただし唱わない)あり。著書に『人物を読む日本中世史』(講談社)ほか多数。