非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義

  • 酒井泰斗氏/吉川 浩満氏
  • 酒井 泰斗(ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp))
  • 吉川 浩満(文筆家)
講師詳細

 大人には様々な制約があります。他人への影響を度外視してものを考えるわけにはいかないし、自分の選択が他人からどのように見えるかも考慮に入れる必要があります。過去の経緯を踏まえ・未来を見据えたうえで、時間的制約のなかで行動しなければなりません。だから大人の生活の背後には、たくさんの「考えないでおくことにしたこと」が控えています。
 「考えていると話が進まない」「考慮すると面倒なことになりそうだ」「いろいろ考え直さないといけなくなるかも」……。そうしたものについて考えることは、たいていは役に立ちませんし、しばしば危険でもあります。そのせいで仕事が進まなくなったり、混乱が生じたりするかもしれません。深甚なダメージを食らうことだってありうるでしょう。
 しかし、それらは黙っておとなしくしてくれるわけでもありません。たとえば疲れているとき、暇なとき、気が緩んだときに、それらはときおり大人の生活に闖入してくるのです。
 では、そうしたものとどう付き合えばよいのでしょうか。これがこの講座の課題です。
 この課題に答えるために特に行いたいのは、素朴で漠然とした直感的な疑問を、継続的に掘り進めたり部分的に解消したりできる問いに変換する練習です。そのために、毎回、受講生から疑問や論題を募り、「どうしたら より安全な仕方で、危険なものと まともに付き合えるか」に配意しながら、実演的に講義を進めていきます。積み上げ型ではなく、その都度特定の論題を使った演習型の講義なので、過去講義に来ていない方でも問題なく参加していただけます。
 この講座で「哲学」と呼ぶのは、こうした、解けるかどうかわからない問題への対処のことです。そして、この意味での「哲学」に無縁な人は誰もいないはずです。私たちは、「これだけが・これこそが哲学だ」とまで述べる気はありません。しかしこれを哲学的だと呼んでよいことまでは──哲学の専門家も含め──大方に認めてもらえるだろうと考えています。ゆっくりと考えていきましょう。 (講師・記)

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■7/8、8/19に補講を行います。(7月・8月は教室で行う予定です。)(5/18更新)
■新型コロナウイルスの感染拡大予防のため4/8、5/13は休講となりました。

●毎回アンケートを実施しております。アンケートフォームのURLは、ご登録いただいているメールアドレスに、新宿教室講座案内アドレス(kouzainfo3@asahiculture.com)よりお送りいたします。
お申込みから3日以内に案内のない場合は、お手数ですがお電話にてお問い合わせください。
・アンケートの内容(関心のある課題や書籍、テーマなど)は、お名前を挙げて講義内で取り上げることがあります。匿名をご希望の方は「ニックネーム」を指定してください。

日程
2020/6/10, 7/8, 8/19
曜日・時間
第2 水曜 19:00~20:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 13,200円
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

酒井 泰斗(サカイ タイト)
大阪大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程中退。音楽制作会社を経て現在は金融系企業のシステム部に所属。専門はインターフェース・デザイン。関心分野は道徳哲学・道徳科学や行動科学の歴史、社会科学方法論争史など。
著書: 酒井ほか編『概念分析の社会学2:実践の社会的論理』(ナカニシヤ出版、2016)、 前田ほか編『ワードマップエスノメソドロジー:人びとの実践から学ぶ』(新曜社、2007)。
論文:「〈法と科学〉の比較行政法政策論」(『科学・技術・社会』26、2017年、吉良貴之・定松淳・寺田麻佑・佐野亘との共著)など。
吉川 浩満(ヨシカワ ヒロミツ)
1972年3月、鳥取県米子市うまれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、ロック、映画、単車など。著述に『心脳問題──「脳の世紀」を生き抜く』(山本貴光との共著、朝日出版社)、『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)、翻訳に『マインド──心の哲学』(山本との共訳、ジョン・R・サール著、朝日出版社)など。