アングロ・サクソン美術Ⅴ 7~8世紀

  • 越 宏一(東京芸術大学名誉教授)
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 本講義シリーズの前回IVでは、IIIで論じたノーサンブリア写本画の代表作『リンディスファーンの書』に引き続き、カンタベリーで制作された2写本におけるアングロ・サクソン・ルネサンスの特徴を浮き彫りにした。
 今期のVでは、先ず、『リンディスファーンの書』の福音書記者像の象徴の手本を検討した際に援用した古代末期の黙示録挿絵サイクルにもう一度戻り、プレ・カロリング朝時代にイギリスに輸入されたリプリゼンテイショナル・アートの手本(黙示録や聖パオロ伝)の問題について考察したい。この基礎の上に、ロマネスクのイギリスでは大々的にナラティブ・アートが展開されたのである。
 ノーサンブリア美術においては、写本画のみならず、彫刻もリプリゼンテイショナル・アートの重要な分野であった。ラズウェルとヴューキャッスルの巨大な石彫十字架は、ロマネスクのモニュメンタル彫刻へのプレリュードと言える驚くべき作品である。   (講師・記)

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日程
2019/4/20, 5/18, 6/15
曜日・時間
第3 土曜 13:30~15:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,720円 一般 11,664円
持ち物など
講座終了後、ご希望の方に実費でカラーコピー資料をお渡しします。
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

越 宏一(コシ コウイチ)
 1942年生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。ウィーン大学留学、博士号取得。ヨーロッパ中世美術史専攻。東京芸術大学名誉教授。1991年シーボルト賞受賞。著書に『ライヒェナウの初期中世壁画』(独文)、『ヨーロッパ中世美術講義』『風景画の出現』(岩波書店)、『ラヴェンナのモザイク芸術』(中央公論美術出版)など。