中世哲学からカント哲学への道
- オンライン講座
- 山内 志朗(慶応義塾大学名誉教授)
中世哲学末期からドイツ観念論、特にカント哲学への流れを考える場合、自由の問題
主意主義、偶然性といった問題は中心的な話題となる。ドゥンス・スコトゥスに始まる主意主義、個体主義は、オッカムに代表される唯名論の隆盛の中で継承され、それが、金瀬のバロック・スコラ哲学の中で発展した。その姿は、イエズス会の神学、とりわけモリナ主義に見られる。そのモリナ主義が近世哲学の中で普及し、その流れがドイツ観念論に至るという系譜が最近の哲学史研究で目立つ。この講義では、中世スコラ哲学の流れがどのように近世に流れ、ドイツ観念論に結びついていくのかを考察する。(講師・記)
【5/8概要】
カントが『純粋理性批判』で展開したアンチノミー論(二律背反をめぐる議論)は、或る命題を主張しても、その反対を主張してもいずれも不合理に陥るという哲学的問題に潜む独自の構造を取り出した議論だった。それは、存在の問題と理性の認識能力との関係について独自な視点を提供することになった。スコラ哲学に議論に深く根差したこの論点は、哲学の問題の根本構造を考える上で重要な議論を示している。スコラ哲学における〈理虚的存在〉ens rationis ということがカント哲学に流れ込んでいる。その系譜をたどる。(講師・記)
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- 日程
- 2023/5/8
- 曜日・時間
- 月曜 19:00~20:30
- 回数
- 1回
- 受講料(税込)
- 会員 3,300円 一般 3,850円
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講師詳細
- 山内 志朗(ヤマウチ シロウ)
- 1957年山形県生まれ。東京大学大学院文学研究科博士課程退学。慶應義塾大学名誉教授。専攻は、西洋中世近世形而上学、倫理学。主な著書に『普遍論争―近代の源流としての』(平凡社)、『天使の記号学』(岩波書店)、『ライプニッツ』『〈つまずき〉のなかの哲学』(NHK出版)、『哲学と笑いの微妙な関係』(哲学書房)、『〈誤読の哲学〉』(青土社)、『小さな倫理学入門』『感じるスコラ哲学―存在と神を味わった中世』(ともに慶応義塾大学出版会)、『湯殿山の哲学:修験と花と存在と』(ぷねうま舎)、『目的なき人生を生きる』(角川新書)、『過去と和解するための哲学』(大和書房)など多数。2021年12月『ドゥルーズ 内在性の形而上学』(講談社選書メチエ)。