神聖天皇のゆくえ 近代日本の精神的基軸について

  • 島薗 進(上智大学特任教授)
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 かつて丸山真男は日本の思想の無構造性と雑居性について語っていた(『日本の思想』1961年)。だが、戦前においてどうだったか。明治維新(1868年)からアジア・太平洋戦争の敗戦(1945年)に至る時期の日本では基軸となる思想・精神性があり、次第に強化されていったと見る方が妥当だろう。では、その基軸とは何だったのか。「神道」「国家神道」だとする見方も一定の妥当性をもつが、この場合「神道」「国家神道」でどの範囲の事柄を指すのかで見方の行き違いが生じやすい。では、「天皇制」はどうか。これは政治制度に力点を置いて歴史を見ることになる。その場合、天皇がどのような思想や精神文化と関わっていたのかが後景に退く傾向がある。そこで、「神聖天皇」「天皇崇敬」という概念を用いてみたい。これは人々の考え方やふるまい方の次元で思想・精神文化を考えることである。この概念を採用することは、「神道」「国家神道」が何であったかの範囲を見直すことにも資するだろう。
 『神聖天皇のゆくえ』(筑摩書房)、『明治大帝の誕生』(春秋社)を踏まえて論じる。(講師・記)

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日程
2019/7/7
曜日・時間
日曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,240円 一般 3,888円
その他
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講師詳細

島薗 進(シマゾノ ススム)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。現在、上智大学特任教授、同大グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授。主な研究領域は比較宗教運動論、近代日本宗教史。人助けの学問という気持ちで医学を志したが、その理想に疑問をもち、人が幸せに生きようとする意志を吟味する学問の方へ向かった。著書:『現代救済宗教論』(青弓社)、『現代救済宗教論』(青弓社)、『精神世界のゆくえ』(東京堂出版、秋山書店)、『現代宗教の可能性―オウム真理教と暴力』(岩波書店)、『時代のなかの新宗教』(弘文堂)、『ポストモダンの新宗教』(東京堂出版)、『〈癒す知〉の系譜』(吉川弘文館)、『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社)、『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店)『国家神道と日本人』(岩波書店)、『日本人の死生観を読む-明治武士道から「おくりびと」へ』(朝日新聞出版)。中島岳志氏との共著に「愛国と信仰の構造」(集英社新書)。