魅惑のイタリア・ルネサンス庭園 オンライン講座
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  • ヴィッラ・ランテ
  • ヴィッラ・デステ 百噴水の通り
  • 桑木野幸司講師
  • 桑木野 幸司(大阪大学栄誉教授)
講師詳細

 ミケランジェロやラファエロらが活躍したルネサンス時代のイタリアはまた、庭園芸術の最先端の地でもありました。中世までの小規模な庭を囲う壁が取り除かれ、広大な風景に開かれた魅惑的な美苑・奇園が半島の各地につくられてゆきます。丘陵地にテラスを重ね、豊富な水を使った噴水が並び、人工洞窟や自動機械人形、古代彫刻、珍花奇葉・珍獣奇鳥といった要素に満ち溢れた当時の庭は、現代のテーマパークの原形ともいえる空間でした。本講義では、イタリア・ルネサンス庭園の発展プロセスをおいかけながら、庭園史という学問のおもしろさをお伝えしたいと思います。(講師・記)

今期のカリキュラム
第四回:理想都市ピエンツァ:風景、庭園。都市の融合(動画あり)
ルネサンス期イタリアの庭園を、デザインやコンセプト、美学等の観点から分析する際、風景と庭・建築との対話、という点が、非常に重要になります。
この点を深く掘り下げるために、狭義の庭園史からは少し離れ、ルネサンス期の都市計画事例と、庭園・建築との関係を、風景との対話という観点から分析してみます。
取り上げるのは、トスカーナの小邑ピエンツァ。ルネサンス期の理想都市として名高く世界遺産にも登録されています。この小さな町は15世紀中ごろ、人文主義的素養を備えた
ローマ教皇ピウス二世が、自信の出身地を、最新の古典主義的建築によって作り替えたもの。その際、町の周囲に広がるオルチャ渓谷をどう居住空間に取り込むか、が、計画のキーポイントとなりました。本講義では、写真と動画、図面をまじえて、建築・都市・庭と風景との
豊かな対話の諸相を掘り下げます。


第五回:ドナート・ブラマンテによる庭園芸術の革新:ヴァティカン・とベルヴェデーレの中庭
メディチ家が十五世紀中にフィレンツェ近郊に多数作ったヴィッラと付属庭園は、イタリア・ルネサンス庭園のデザイン上の様々な革新点を萌芽的に含んでいました。それらの可能性が十全に開花するのは、文化の中心が十六世紀にローマに移っから。今回は、ローマにおける庭園デザインの革命となった、ヴァティカンのベルヴェデーレの中庭を取り上げ、その斬新さを徹底的に分析します。この庭園を設計した建築家ブラマンテは、広大な敷地をまとめあげる構成力と、古典主義建築のボキャブラリー、洗練された視覚効果の追求、といった多彩な要素を、この計画のうちに破綻なく融合しています。以降のイタリア庭園、ひいてはヨーロッパの庭園の基礎をつくったこの庭のデザインを理解することは西欧庭園史の理解にかかせません。


第六回:ラッファエッロの夢:ローマ盛期ルネサンスの芸術文化ととヴィッラ・マダーマ
ルネサンスの三大巨匠のひとりに数えられるラッファエッロは、一般には画家としての業績が広く知られていますが、晩年には建築の領域でも、際立った才能を発揮しました。その彼が死の直前まで関わっていた巨大なヴィッラ・庭園プロジェクトが、通称ヴィッラ・マダーマです。
ヴァティカンの北の郊外に位置する同ヴィッラは、残念ながら未完成におわりますが、残された図面や一部完成した遺構だけでも、後世の庭園デザインに大きな影響を与えるほどの傑作でした。ラッファエッロは、ブラマンテによるベルヴェデーレの中庭を、さらに洗練させ、周辺風景とヴィッラ・庭園との豊かな対話を、
このプロジェクトにおいて試みています。庭園の敷地内だけではなく、周辺のランドスケープにも目を向け、そのデザインの妙を味わってみましょう。

<参考資料>本講義の内容以下の著作をベースにしております。
桑木野幸司『ルネサンス庭園の精神史:権力と知と美のメディア空間』(白水社、2019年)
※朝日カルチャーでは販売していません。ご入用の場合は各自、書店でお買い求めください。

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日程
2021/10/13, 11/10, 12/8
曜日・時間
第2週 水曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 11,550円

講師詳細

桑木野 幸司(クワキノ コウジ)
1975年静岡県浜松市生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程・単位取得退学、ピサ大学美術史学科博士課程修了(博士:Dottore di Ricerca in Storia delle arti visive e dello spettacolo)。現在、大阪大学文学研究科教授。学術振興会賞受賞。『ルネサンス庭園の精神史』(白水社)でサントリー学芸賞受賞。他の著書に『記憶術全史:ムネモシュネの饗宴』(講談社メチエ)、『叡智の建築家:記憶のロクスとしての16-17世紀の庭園、劇場、都市』(中央公論美術出版)他。