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スピノザ「エチカ」を読む
- 教室開催
- 江川 隆男(哲学者)
本講座では、17世紀のオランダの哲学者、スピノザの『エチカ』を丁寧に読んで解説していきます。『エチカ』は、最初から順番に読んでわかるものではありません。どこから読み始めても、同じ難解さに直面します。重要なことは、哲学上のスタイルなど関係なく、『エチカ』に内在しつつ、考えることです。本講座では、『エチカ』を構成するスピノザのそれぞれの言説が、あるいはその言表作用がいかなる哲学上の意義をもつのかを講義形式も取り入れて十全に展開したいと思っています。
今月期は、第三部「感情の起源および本性について」における身体の変様と精神の受動感情との間の並行論の意義を十分に考えていきましょう。感情は、第一に物の認識の仕方であることが明確に理解されるようになるでしょう(ただし、進度によって前後する場合があります)。こうした本質的問題を通して、現代哲学としての、人類にとってもっとも重要な書物としての『エチカ』の意義、その反道徳主義的な倫理学の画期的な思考を、なるべく分かりやすく提示するつもりです。奮ってご参加ください。また、途中からの参加の方も歓迎します。(講師記)
第1回 受動感情の諸特徴――類似と偶然(1)
第2回 受動感情の諸特徴――類似と偶然(2)
第3回 受動感情の諸特徴――類似から動揺と疑惑へ
- 日程
- 2023/4/8, 5/13, 6/10
- 曜日・時間
- 土曜 18:00~19:30
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,900円
- 設備費(税込)
- 495円
- 持ち物など
- <テキスト>スピノザ「エチカ」畠中尚志訳、岩波文庫、上・下巻:各自でご用意下さい。
- その他
- 教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。
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講師詳細
- 江川 隆男(エガワ タカオ)
- 1958年東京生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。立教大学特別専任教授。博士(文学)。著書に、『存在と差異――ドゥルーズの超越論的経験論』(知泉書館)、『死の哲学』、『超人の倫理――〈哲学すること〉入門』、『アンチ・モラリア――〈器官なき身体〉の哲学』、『すべてはつねに別のものである』(以上、河出書房新社)、『スピノザ『エチカ』講義』(法政大学出版局)、訳書に、ドゥルーズ『ニーチェと哲学』、ドゥルーズ/パルネ『ディアローグ』(以上、河出文庫)、ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』(月曜社)など、論文に、「〈批判/臨床〉の平面論」(『hyphen』、第五号)、「自由意志なき〈自由への道〉――行動変容から欲望変質へ」(『思想としての〈新型コロナウイルス禍〉』、河出書房新社)などがある。