この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。
理性の探究―いま「リーズン」とは何か
- 教室開催
- 西谷 修(東京外国語大学名誉教授)
地球温暖化が危惧され「成長の限界」が問われながら、IT他のテクノロジーが開く未来や宇宙旅行が語られ、一方で世界はいっそう貧富の差で分断され、いわゆる「スマート」な世界と荒廃の領域とが亀裂を隠して分岐しています。この世界を(で)人は何をどう考えたらいいのか、人間はまだ自分の冒険の主人公なのか、あるいは失われた未来の幻想に囚われて奈落に向かっているのか、とくと考えてみる必要がありそうです。それが以下5回の「理性の探究」のモチーフです。(講師・記)
1)理性とは?――人間の思考の軸とは何かを問い直します。
2)未来のない時代――その時間意識、歴史忘却、そして人間の有限性について考えます。
3)テクノロジーと自由――反省や顧慮を置き去りに世界を変容させる動力になっているテクノロジーについて考えます。
4)経済と公共性――経済原理が政治的な公共性を解体してあらゆる人間社会を引き臼にかけている様を批判的に検討します。
5)文字と身体――R・ブラッドベリ『華氏431度』にデジタル・ヴァーチャル化への「理性」の根源的な抵抗を読み取ってみます。
[参考文献]
西谷修『理性の探究』(岩波書店、2009年)、ルジャンドル『ドグマ人類学総説』(平凡社、2003年)、ハイデッガー『技術への問い』(平凡社、2013年)他
- 日程
- 2021/10/14, 10/28, 11/11, 11/25, 12/9
- 曜日・時間
- 木曜 19:00~20:30
- 回数
- 5回
- 受講料(税込)
- 会員 16,500円
- 設備費(税込)
- 825円
- その他
- 教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。
こんな講座も
講師詳細
- 西谷 修(ニシタニ オサム)
- 1950年愛知県生まれ、東京大学法学部卒業、都立大大学院仏文修士課程修了、パリ第八大学に留学、明治学院大学文学部教授、東京外国語大学大学院教授を経て現職。著書に『不死のワンダーランド』(青土社)、『夜の鼓動にふれる:戦争論講義』(ちくま学芸文庫)、『〈テロル〉との戦争』(以文社)、『アフター・フクシマ・クロニクル』、『破局のプリズム』(ぷねうま舎)など。エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』監修。