レヴィナスと日本の哲学者たち

  • 合田 正人(明治大学教授)
講師詳細

 講師(合田)がレヴィナスを読み始めたのは1983年頃のことであったが、当時、レヴィナスは日本ではほとんど未知の存在であった。それから30余年、今やレヴィナスは哲学に関心を持つ大学生、大学院生たちが論文の対象として選ぶことの最も多い哲学者のひとりとなった。『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)のような決して簡単ではない書物が文庫化されて通算一万部以上売れているというのは世界でもおそらく日本だけの現象であろう。なぜそのようなことが起こったのか。なぜレヴィナスは長きにわたって、サルトル、メルロ=ポンティの影に隠れていたのか。また、なぜそのレヴィナスがこれほどの人気を博することになったのか。今回はこの問題を、日本の哲学者たちとの比較を通じて検討する。より具体的に言うなら、清沢満之の「精神主義」に言う「絶対的無限者」、西田幾多郎における「場所」「われとなんじ」、田辺元における実存協同、懺悔、愛、西谷啓治における哲学の終焉、宗教哲学などが講義で取り上げられるだろう。それを通じて、海外思想の受容と翻訳という大問題に迫ることができればと思う。(講師記)

<各回テーマ>
第一回:講義の概要と進め方。清沢満之の生涯
第二回:無限と責任――清沢満之とレヴィナス
第三回:〈ある〉と場所――西田幾多郎とレヴィナス
第四回:宗教と哲学――西谷啓治とレヴィナス
第五回:レヴィナス受容を振り返る

※講義内容は進度などにより変更になることがあります。

この講座は終了しました
日程
2019/7/9, 7/23, 8/27, 9/10, 9/24
曜日・時間
第2・4 火曜 19:00~20:30
回数
5回
受講料(税込)
会員 16,200円 一般 19,440円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

合田 正人(ゴウダ マサト)
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。パリ第八大学哲学科に留学。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京都立大学助教授を経て、現職。専攻は、思想史。著書に、『レヴィナスの思想-希望の揺籃』(弘文堂、改訂版はちくま学芸文庫)、『ジャンケレヴィッチ――境界のラプソディー』(みすず書房)、『幸福の文法』(河出ブックス)、『フラグメンテ』(法政大学出版局)など。訳書に、レヴィナス『全体性と無限』(国文社)、『固有名』(みすず書房)、『存在の彼方へ』(講談社学術文庫)、ベルクソン『講義録』(法政大学出版局)、ジャンケレヴィッチ『最初と最後のページ』(みすず書房)、ベルクソン『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二つの源泉』(筑摩書房)、レイ『レヴィナスと政治哲学』(法政大学出版局)、ジャン=クレ・マルタン『ドゥルーズ-経験不可能の経験』(河出文庫)、デリダ『エクリチュールと差異』(法政大学出版会)など。論文に、「他者と他者―フロイト・ラカン・レヴィナス」(『ラルシュ』)ほか。