「古事記」とは何か? -その撰録をめぐる一つの臆説-
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  • 加藤 謙吉(歴史研究家)
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 『日本書紀』が養老4年(720)5月に完成したことは、『続日本紀』に明記されていますが、元明天皇の詔により太安万侶が和銅5年(712)正月に撰録し、天皇に献上した『古事記』については、『続日本紀』は何も記しておらず、その存在を推測せしめる記述も見当たりません。
 一方、平安時代末期に成った史書『扶桑略記』は、「和銅5年上奏日本紀」なる書にもとづき、飯豊皇女を歴代の天皇に加えていますが、和銅5年に成立した日本紀(日本書紀)が一体何を指すのか、判然としません。また奈良・平安時代に宮廷で行われた『日本書紀』講書の覚書(日本書紀私記)の一つである『弘仁私記』の序によれば、『古事記』の作者である太安万侶を舎人親王とともに『日本書紀』の撰者としており、日本書紀私記の丁本(『承平私記』)は、『日本書紀』の原資料とする目的で書かれた倭漢混交体の「仮名日本紀」が数多く存在したと記しています。『古事記』やその序については、早くから偽造説も存在し、『古事記』の史書としての性格や、『日本書紀』との関係は、未だ十分に解明されておらず、謎に包まれています。
 今回の講座では臆測を恐れず、『古事記』とは何であったのかを考えてみるつもりです。                                                      (講師・記)

<各回のテーマ>*予定が変更する場合がございます。ご了承ください。
第1回 1月19日 「和銅五年上奏日本紀」〈『古事記』と「仮名日本紀」〉
第2回 2月16日 『古事記』序偽造説と『弘仁私記』序
第3回 3月16日 『古事記』と『日本書紀』


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日程
2023/1/19, 2/16, 3/16
曜日・時間
第3週 木曜 13:00~15:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 13,200円
教材費(税込)
教材費 165円
設備費(税込)
495円
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

加藤 謙吉(カトウ ケンキチ)
1948年三重県四日市市生まれ。1976年早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。成城大学・中央大学兼任講師、放送大学講師を歴任。博士(文学)。著書に『蘇我氏と大和王権』、『大和政権と古代氏族』、『大和の豪族と渡来人』、『大和政権とフミヒト制』(以上、吉川弘文館)、『秦氏とその民』、『吉士と西漢氏』(以上、白水社)、『日本古代の豪族と渡来人』(雄山閣)など。