ともに悲嘆を生きる グリーフケア・宗教・スピリチュアリティ

  • 島薗 進(上智大学特任教授)
講師詳細

 大切な人との死別は辛い。生き残った者の辛さを受け止めるグリーフケアが求められている。東日本大震災はそのことを思い知るきっかけになった。だが、グリーフケアの必要性が認識されるようになったのは、1980年代頃からだ。520人が御巣鷹山で亡くなった1985年の日航機事故は一つのきっかけとなった。だが、それ以前からも深い悲嘆はあった。それでもグリーフケアが求められるということはなかった。アジア太平洋戦争や水俣病では多くの犠牲者が出て、その人々をどのように偲び悼むかが大きな課題であり続けた。このように「ともに悲嘆を生きる」仕方が問われ続けてきた歴史がある。芸術作品には亡き人を偲び悼むという次第が度々現れた。人々は「悲しみの器」を求め文化を作ってきたとも言えるだろう。今回は日本の明治以降に限定して「悲嘆を分かち合う」形について考え、現代社会で求められているグリーフケアのあり方について考えるよすがとしたい。 『ともに悲嘆を生きる』(朝日新聞出版)にもふれながら述べていきた。 (講師・記)

 『ともに悲嘆を生きる-グリーフケアの歴史と文化』(朝日新聞出版)の出版記念講座です。


この講座は終了しました
日程
2019/7/21
曜日・時間
日曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,240円 一般 3,888円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

島薗 進(シマゾノ ススム)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。現在、上智大学特任教授、同大グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授。主な研究領域は比較宗教運動論、近代日本宗教史。人助けの学問という気持ちで医学を志したが、その理想に疑問をもち、人が幸せに生きようとする意志を吟味する学問の方へ向かった。著書:『現代救済宗教論』(青弓社)、『現代救済宗教論』(青弓社)、『精神世界のゆくえ』(東京堂出版、秋山書店)、『現代宗教の可能性―オウム真理教と暴力』(岩波書店)、『時代のなかの新宗教』(弘文堂)、『ポストモダンの新宗教』(東京堂出版)、『〈癒す知〉の系譜』(吉川弘文館)、『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社)、『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店)『国家神道と日本人』(岩波書店)、『日本人の死生観を読む-明治武士道から「おくりびと」へ』(朝日新聞出版)。中島岳志氏との共著に「愛国と信仰の構造」(集英社新書)。