皇妃エリザベート  神聖ローマ帝国からハプスブルク帝国へ

  • ヨーゼフ・ホラチェク≪薄い青のドレスの皇妃エリザベト≫1858年、油彩/カンヴァス  ウィーン美術史美術館所蔵
  • 皆川 卓(山梨大学教授)
講師詳細

19世紀後半ハプスブルク帝国の皇妃エリザベートは、その美貌とテロに倒れた悲劇から、ハプスブルク家の女性の中で最も有名な存在です。しかし彼女を理想化したミュージカルとは違い、素顔の彼女は、彼女が生きた19世紀の中央ヨーロッパ、特に彼女の故郷だったドイツの王族・貴族における美意識を、その良い面も悪い面も素直に体現した女性でした。そこからは、彼女が生を受ける30年ほど前まで続いていた長い神聖ローマ帝国の伝統が風化し、今や時代遅れとなった帝国貴族が、自らの尊厳を保とうとして苦悩する姿が、その死も含め、同じ苦悩を味わったバイエルン王ルートヴィヒ2世とはまた違った形で読み取れます。中欧の古い美意識と新しい市民的な美意識が交錯する複雑な世界を、彼女の生涯を通じて眺めてみたいと思います。(講師・記)

<展覧会情報>
「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
会期2019年10月19日(土)~2020年1月26日(日)
会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)


お申し込み
日程
2019/12/7
曜日・時間
土曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 3,960円
教材費(税込)
-
その他
・開講終了時間を延長することがございます。予めご了承ください。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

皆川 卓(ミナガワ タク)
1967年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科単位取得退学。専門は西洋史。2012年から山梨大学大学院教育学研究科准教授、16年から同大学教育学部教授。