数学塾  レムニスケート関数の等分理論と虚数乗法論

  • 高瀬 正仁(元九州大学教授)
講師詳細

 数学史は「数学とは何であるか」と問う学問ですから、数学と数学史は切り離すことができません。数学の理論の真実の姿は源泉に宿っていて、源泉の所在地を教えてくれるのが数学史です。この「数学塾」では、毎回ひとつのテーマを取り上げて、その理論の泉となった「一番はじめの人」の「一番はじめの作品」に沈潜して思索の流れをたどり、数学の誕生の瞬間に立ち会うことをめざします。
 楕円関数論はオイラーが発見した楕円積分の加法定理とともに始まります。19世紀に入り、アーベルは楕円関数の変数を複素数域に拡大して2重周期性の由来を明らかにするとともに、楕円関数の等分理論を建設しました。楕円関数の等分方程式は代数方程式ですが、代数的に解けたり解けなかったりしますので、ではどのようなときに解けるのか、という問題が発生します。ここにおいて楕円関数論と代数方程式論が融合し、新たに神秘的な世界が開かれました。その光景を紹介します。

【レムニスケート関数の等分理論と虚数乗法論】
ガウスの円周等分論にならって、アーベルは楕円関数の等分理論を取り上げて、等分方程式の代数的可解性を探究しました。レムニスケート関数(レムニスケート積分の逆関数)の場合、鍵となるのはこの関数が虚数乗法をもつという事実です。この経緯を詳しく紹介し、虚数乗法論の世界を鑑賞します。

※数学塾は4月・5月・6月の3回あります。各URLをご参照ください。
ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。


この講座は終了しました
日程
2019/6/30
曜日・時間
日曜 12:30~16:45
回数
1回
受講料(税込)
会員 6,480円 一般 7,776円
その他
※休憩が入ります。
【教室変更】2号教室から3号教室に変更しました。
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

高瀬 正仁(タカセ マサヒト)
1951年、渡良瀬川上流の山村、群馬県勢多郡東村(現在のみどり市東町)に生まれる。数学者、数学史家。専攻は多変数関数論と近代数学史。東京大学を経て九州大学大学院修士課程修了。元九州大学教授。歌誌「風日」同人。著作『評伝岡潔』三部作(「星の章」「花の章」は海鳴社。「虹の章」はみみずく舎)、『高木貞治とその時代』(東京大学出版会)など。訳書『ガウス整数論』(朝倉書店)、『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』(海鳴社)、『ガウスの数学日記』(日本評論社)など。