世界史25講 近代の実験:万民のための社会はいかに可能か?

  • 金井 光太朗(東京外国語大学名誉教授)
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 18世紀から19世紀にかけてホモ・サピエンスは、万人のための社会はいかにすれば可能かを探る実験を行いました。
近代の戦争は大規模化し、お金がかかるようになりました。増税など負担の合意のため、議会を活用して国民の団結を図ったイギリスは、いち早く海洋を支配する世界帝国となりました。貴族の特権を押さえられず急速に力を失ったスペインとは対照的な姿です。
一方、封建的特権の排除と新しい体制の構築のため、革命を断行する国も現れます。人民が人民を支配するという大いなる実験です。しかし、「自由・平等・友愛」を実現したかに見えたフランスでは、制約なき人民主権が恐怖政治へと暴走します。これを踏まえ、アメリカは建国に当たって人民主権に慎重な制約を課し、民衆の一時の盛り上がりで体制の変動を正当化しない工夫をしました。
これ以降、西洋では代議政治と憲法体制が国家の標準となります。黒船の衝撃を受けたアジアの国々でも、帝国体制から階層秩序を破壊し代議政治と憲法を確立することが急務となりました。

11.財政軍事国家となった大英帝国―7つの海を支配
12.連合王国を形成したイギリス、諸王国複合のスペイン―国民国家の構築
13.アメリカ独立革命とフランス革命―人民主権は秩序か? 混沌か?
14.黒船の衝撃―憲法と代議政治の力がアジアにまで
15.文明化の功罪―個人規律、または仲間にこだわる一揆
16.きれいになったパリ―人口集中と公衆衛生

<25回の講義内容予定>
2019年5月開講。約1年間で下記のテーマを取り上げる予定です。
具体的な日程は、各期のパンフレットやホームページ等でお知らせします。

1. 文明を築いたのもの-ことば・農耕・文字・宗教・帝国
2. 「大秦国王安敦」-ローマ帝国時代の東西交流
3. イスラム世界の勃興と拡大
4. マルコ・ポーロはなぜモンゴルまで来られたのか?-史上初の世界帝国
5. 明の帝国秩序と琉球王国の繁栄 
6. ヨーロッパ⇔アメリカ大陸 コロンブスが持ってきたもの、持ち帰ったもの
7. 銀がつなぐ南蛮と紅毛とアジア
8. 宗教改革・宗教戦争
9. 三十年戦争とウェストファリア体制
10. 資本主義の台頭   
11. 財政軍事国家となった大英帝国―7つの海を支配
12. 連合王国を形成したイギリス、諸王国複合のスペイン―国民国家の構築
13. アメリカ独立革命とフランス革命―人民主権は秩序か? 混沌か?
14. 黒船の衝撃―憲法と代議政治の力がアジアにまで
15. 文明化の功罪―個人規律、または仲間にこだわる一揆
16. きれいになったパリ―人口集中と公衆衛生
17. 電力・エンジンの発展-独占大企業の誕生
18. 大量生産が変える社会
19. “Play now, pay later” 経済の変遷-物々交換からクレジット社会へ
20. 第1次世界大戦 
21. 第2次大戦と「アメリカの世紀」
22. 高度成長の夢-国民全員が中産階級になれるか? 
23. 冷戦と冷戦後のアメリカ単独主義
24. 生活賃金を切り下げるコスト競争-歴史に見る格差社会の行く末
25. 成長の限界と持続可能な技術

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日程
2019/10/3, 10/17, 10/31, 11/7, 12/5, 12/19
曜日・時間
木曜 10:30~12:00
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,800円 
持ち物など
・当日、プリントを配布します。
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

金井 光太朗(カナイ コウタロウ)
1953年生まれ。東京外国語大学名誉教授。専攻はアメリカ政治史。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退、米国ブラウン大学留学。著作『アメリカにおける公共性・革命・国家』(木鐸社)、『アメリカのアイデンティティとナショナリズム』(共著、彩流社)『近代アメリカの公共圏と市民』(共著、東京大学出版会)など。訳書ゴードン・ウッド『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』(共訳、慶應義塾大学出版会)、コリン・ウッダード『11の国のアメリカ史』(共訳、岩波書店)。