О・ヘンリーの短編作品を読み解く 「賢者の贈り物」

  • 齊藤 昇(立正大学教授)
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 人は心が屈した時に、思わず社会とは、幸福とは、家庭とは、あるいは人間とは一体なんだろうか、と辛愚痴を込めて人生案内の灯明を求めたくなるものです。ところが、時の流れに揉まれたアメリカ的ヒューマニズムを標榜するО・ヘンリー作品を読んでいると、不思議なことに、ある種の郷愁的な感情を誘ってじんわりとした心地よい時空に浸ることができます。すなわち、О・ヘンリー自身が名作「賢者の贈り物」の中で述べているように、「人生は、むせび泣きと、すすり泣きと、微笑みである」ことを、読者はあらためて実感するからではないでしょうか。そんなところに、繊細な情緒感を浮かべながら、人の心に優しく映る目線で描く作家O・ヘンリーの熟成した「文学力」がそこはかとなく発揮され、世界中で長く読み継がれている理由があるのかもしれません。この講座では、今や古典となったO・ヘンリー作品を読み解くことで、人間の営みに寄り添う決して単純ではない「心のありよう」を問い直したいと思います。(講師記)

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注意事項

新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、3/10は休講です。

日程
2020/1/14, 1/28, 2/25, 3/24
曜日・時間
第2週・第4週 火曜 11:45~13:15
回数
4回
受講料(税込)
会員 14,960円 
持ち物など
<各自準備>初回はテキスト不要。
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

齊藤 昇(サイトウ ノボル)
立正大学教授・アメリカ文学者。主な著書に『「最後の一葉」はこうして生まれた -O・ヘンリーの知られざる生涯』(角川書店)、『ユーモア・ウィット・ペーソスー短編小説の名手O・ヘンリー』(NHK出版)、『そしてワシントン・アーヴィングは伝説になった—〈アメリカ・ロマン派〉の栄光』(彩流社)。主な翻訳書 には『わが旧牧師館への小径』(『平凡社ライブラリー』、平凡社)、『ウォルター・スコット邸訪問記』(『岩波文庫』、岩波書店)、『ブレイスブリッジ邸』(『岩波文庫』、岩波書店)、『スケッチ・ブック(上・下)』(『岩波文庫』、岩波書店)など。