数学塾 人物に学ぶ数学と数学史

  • 高瀬 正仁(元九州大学教授)
講師詳細

 数学史は「数学とは何であるか」と問う学問ですから、数学と数学史は切り離すことができません。数学の理論の真実の姿は源泉に宿っていて、源泉の所在地を教えてくれるのが数学史です。この「数学塾」では、毎回ひとつのテーマを取り上げて、その理論の泉となった「一番はじめの人」の「一番はじめの作品」に沈潜して思索の流れをたどり、数学の誕生の瞬間に立ち会うことをめざします。
 数学の泉の実体は数学的発見です。泉を造形した人びとの人生に寄り添って数学が生い立っていく様子を克明に観察し、創造者の人と学問への共感と共鳴の場が開かれてくることをめざします。(講師・記)


〈スケジュール〉

第1回 《数論の泉と微積分の泉》 
数論と微積分の担い手を紹介します.フェルマが造形した数論の泉はオイラーとラグランジュが継承して大河になりました.ガウスはもうひとつの数論の泉を造形し,ヤコビ,ディリクレ,クンマーに受け継がれて高木貞治先生の類体論にいたります.微積分はデカルトの曲線論,フェルマの接線法に始まり,ライプニッツの接線法と逆接線法を経てオイラーの無限解析,コーシーの代数解析へと続きます.

第2回 《代数方程式論の展開と虚数の導入》
代数方程式論をデカルトから説き起こし,オイラー,ラグランジュをたどり,ガウスの円周等分方程式論,アーベルの「不可能の証明」とアーベル方程式の発見を経て,クロネッカーの青春の夢に及びます.ヨハン・ベルヌーイとライプニッツは負数と虚数の対数の正体をめぐって論争を繰り返し,オイラーは対数の無限多価性を発見しました.複素変数関数論がここから流露して,アーベル,ヤコビ,コーシー,ヴァイエルシュトラス,リーマンへと続きました.

第3回 《和算と洋算の出会い》
幕末から明治初期にかけて西欧の数学こと洋算が流入したのは日本の文化史上実に大きな事件でした.和算の優位を確信する者,和算から洋算に関心を移す者,和洋両算の利点を学ぼうとする者など,和算家たちの対応はさまざまに分れました.和算の優位を確信した岩田好算と高久守静,洋算に魅せられて独力で洋算を学んだ関口開,最後の和算家と目される上州群馬県の萩原禎助などの対応の観察を通じて,消滅した和算の運命を考察します.


※数学塾は全3回あります。ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

※各回のお申込みも可能です。
第1回のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/40e006c6-ff31-7fb6-544c-5fa9290d0c2d

第2回のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/125709a9-005f-a1e7-6fbe-5fa92a0219fd

第3回のみはコチラ⇒https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/3befe5d2-d578-e197-47ac-5fa92b62bc4a

中途受講はできません

この講座は終了しました
日程
2021/1/10, 2/14, 3/14
曜日・時間
日曜 12:30~16:45
回数
3回
受講料(税込)
会員 19,800円 一般 26,400円
その他
・本講座は、開講当日の窓口申し込みを承っておりません。WEBサイトでお手続きいただくか、開講1週間前までにお電話にてご予約のうえ、コンビニエンスストアでのご入金をお願いいたします。
・途中休憩があります。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。
・数学塾は全3回あります。ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

講師詳細

高瀬 正仁(タカセ マサヒト)
1951年、渡良瀬川上流の山村、群馬県勢多郡東村(現在のみどり市東町)に生まれる。数学者、数学史家。専攻は多変数関数論と近代数学史。東京大学を経て九州大学大学院修士課程修了。元九州大学教授。歌誌「風日」同人。著作『評伝岡潔』三部作(「星の章」「花の章」は海鳴社、「虹の章」はみみずく舎)、『高木貞治とその時代』(東京大学出版会)など。訳書『ガウス整数論』(朝倉書店)、『オイラーの無限解析』、『オイラーの解析幾何』(海鳴社)、『ガウスの数学日記』(日本評論社)など。