哲学する仏教・4 内山興正老師の思索をめぐって 内山哲学は仏教を超える

  • 永井 均(哲学者)
講師詳細

曹洞宗の内山興正老師(1912-1998)は、大学で西洋哲学を学び、カトリックの神学校に教鞭をもつも、半年ほどで退職。そして、愛する妻を病気で亡くした悲しみのなか、「真実の自分」を追究するべく曹洞宗の澤木興道老師について出家得度しました。初版刊行から50年を経て、現代に甦った内山老師の仏教書『進みと安らい』。そこに記されていることは、科学技術が急速に進んだ時代への警鐘、坐禅の実践による「自己の構造」の分析など、自らの思索を巡らせ身心で考え抜いた哲学といっても過言ではないでしょう。2019年の今、哲学する仏教の原点ともいえる内山老師の思索をめぐって三人の弟子と一人の哲学者が語ります。

シリーズ(予定)
第1回 ◆坐禅・安らいつつ進む道◆ 前・曹洞宗国際センター所長  藤田一照
日時:5月8日 水曜 19:00-20:30 
第2回 ◆マインドフルネスという黒船来航前の内山老師◆
鎌倉一法庵住職  山下良道 
日時:5月22日 水曜 19:00-20:30 
第3回 ◆内山老師の行き詰まり◆       安泰寺住職  ネルケ 無方
 日時:6月14日 金曜 19:00-20:30 
第4回 ◆内山哲学は仏教を超える◆          哲学者  永井 均
日時:6月27日 木曜 19:00-20:30 
※参考図書:内山興正著『進みと安らい』(サンガ刊)

◆内山哲学は仏教を超える◆
他の三人の方々は立場は違っても仏教のお坊さんなので(それぞれが理解される)仏教の立場からお話しされるでしょうけど、私はお坊さんでもなければ仏教徒でもないので、仏教を離れて内山哲学のどこが優れているかをお話しします。それは何よりもまず混同されがちな第一図と第五図の違いを知っていたことです。これは何度も強調しておかないと知らない間にまた混同されてしまうからです。私の知る限り仏教は大乗仏教も含めてこの違いを曖昧にしているので、後年内山が自身のこの見地と仏教思想との整合性に疑念を抱いたとすれば、それは実は仏教が内山哲学の水準に達していないということなのだ、と論じたいと思っています。 (永井講師・記)

この講座は終了しました
日程
2019/6/27
曜日・時間
木曜 19:00~20:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,240円 一般 3,888円
その他
●教室が変更する場合がございます。エレベーター付近の掲示板でご確認ください。

講師詳細

永井 均(ナガイ ヒトシ)
1951年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得。千葉大学文学部教授を経て、現在、日本大学文理学部教授。専攻は、哲学及び倫理学。主な著書に、『翔太と猫のインサイトの夏休み』(ちくま文庫)、『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書)、『<子ども>のための哲学』(講談社現代新書)、『私・今・そして神…開闢の哲学』(講談社現代新書)、『西田幾多郎-<絶対無とは何か>』(日本放送出版会)、『なぜ意識は実在しないのか 双書哲学塾』(岩波書店)、『マンガは哲学する』(岩波書店)、『<私>の哲学を哲学する』(講談社)、『<私>の存在の比類なさ』(講談社)、『倫理とは何か-猫のアインジヒトの挑戦』(筑摩書房)、『ウィトゲンシュタインの誤診―『青色本』を掘り崩す』(ナカニシヤ出版)、『哲学の密かな闘い』と『哲学の賑やかな呟き』(ぷねうま舎)、『哲おじさんと学くん』(日本経済新聞出版社)、『存在と時間 哲学探究1』(文藝春秋)、『世界の独在論的存在構造 哲学探究2』(春秋社)など。