「源氏物語」研究 竹河の巻 その1

  • 今井 久代(東京女子大学教授)
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 物語文学は、想像を駆使して作り出される虚構の話であろうとする。『源氏物語』はその虚構のしくみを徹底的に深化させていくところから、人間や人間世界の普遍的な真相に深く触れている。 
 光源氏のいない物語では、表向きは光源氏と女三の宮の子、実は柏木を父とする不義の子、薫が主人公となる。光源氏との血のつながりは薄いが、光源氏の人生の負の部分を引き継ぐ薫。その意味では、二人は運命の親子なのかもしれない。
 しかし物語は、開始早々どちらに向かおうか迷走している。かつて光源氏の心をとらえ、かぐや姫のように髭黒のもとに去って行った玉鬘は、夫に先立たれ、二人の娘の結婚に頭を悩ませる家刀自である。長女に求婚する蔵人少将は、夕霧の秘蔵っ子。かつての柏木のように、かなわぬ恋に悩む貴公子で、薫はそんな少将の恋の目撃者に過ぎない。主人公の定まらない物語の奥行きを確かめながら、物語はどこへ向かうのか、親子の関わりがそっと背後に沈む、新たな物語の世界を考えてゆきたい。(講師・記)

※2006年1月鈴木日出男講師開講、2014年1月より高木和子講師、2017年6月より今井久代講師。

<テキスト>プリントを配布いたします。
<参考書>『新編日本古典文学全集24 源氏物語(5)』(小学館)または「源氏物語12 第12巻」(小学館)。「源氏物語図典」(小学館)

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講師都合により日程変更1/21休講→3/17補講
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日程
2020/3/3, 3/17, 3/31
曜日・時間
第1週・第3週・第5週 火曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 

講師詳細

今井 久代(イマイ ヒサヨ)
1962年愛媛県出身。東京大学大学院博士課程修了、博士(文学)。東京女子大学現代教養学部教授。『源氏物語』など平安時代の物語や和歌の、表現や構造について研究。著書に、『源氏物語構造論-作中人物の動態をめぐって』(風間書房,2001,第四回紫式部学術賞受賞)がある。岩波文庫『源氏物語』全九冊(岩波書店。新大系の新装版。2017年7月より順次刊行予定)の編集協力。((一)、(二)、(三)、(四)所収の巻の注釈及び(四)を担当を担当)。