アリストテレス「政治学」を学ぶ
  • 教室開催

  • 加藤 信朗(東京都立大学名誉教授)
講師詳細

2018年4月期から昨年(2020年)10月期までの7期にわたってアリストテレス『ニコマコス倫理学』を学び、「人間」が本性上「何であるか」、その最終目的である「幸福(eudaimonia・良き生)」を達成するために「いかに生きるべきか」に関わる長大な論述を細部にわたり考究してきた。その端緒には、「人間」は「本性上」一人で生きるものではなく、「等しい人間」と共に生きるものであり、真なる「人間共同体」が形成されるには、市民相互間の「友愛(philia)」が求められるという信念が著者アリストテレスの心の基底にはあった。古典期ギリシャでは「人間共同体」とは「ポリス共同体(hē politikē koinōnia)」である。それゆえ、「倫理学(ēthikē)」は「政治学(politikē)」の基盤研究である。これは『ニコマコス倫理学』の冒頭(第一巻第二章1094a18~b11)に述べられているが、第十巻の末尾第九章(1179a33~1181b23)では、「政治学(hē politikē)」に求められる主題のさまざまが列挙され、その考察に進もうとするところで『ニコマコス倫理学』の全巻は閉じられている。
――今年度4月期は上記のリーフレットの線に従い、第一講義(4月17日)では『ニコマコス倫理学』の冒頭第一巻第二章(1094a18~b11)と第十巻末尾の第九章(1180b28~1181b23)を学び、「アリストテレス哲学」において、「倫理学研究」と「政治学研究」とが一貫した「実践哲学研究」であること、それゆえ、そこに「等しい人間」と「等しい人間」が協合して作る「人間共同体」(=「ポリス共同体(hē politikē koinōnia)」の「構造」が「何であるか」、また「人間行為の最高目的」である「幸福(eudaimonia)」を実現するものは「何であるか」の論究である「政治学(hē politikē」第一巻の冒頭箇所を学んだ。
 「コロナウイルス感染の脅威」が収まらぬまま、十月期には『政治学』の続く論究を以下の日程で学ぶ。なお今回からは「使用テキスト」として下記のものを底本として用いる。(講師・記)





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お申し込み
日程
2021/11/20, 12/18
曜日・時間
第2週・第4週 土曜 15:30~17:00
回数
2回
受講料(税込)
会員 6,600円 
設備費(税込)
330円
持ち物など
※テキストを各自でご用意ください。(2021年10月期~、講師意向により変わりました。2021年4月時点での講師指定のテキストをすでに購入された方は、そのままお使いください)
使用テキスト:アリストテレス『政治学』田中美知太郎、北嶋美由紀ほか訳(中公クラシックス。2009年刊、アリストテレス『政治学』山本光雄訳(岩波文庫、1961年初版)・前回のものも参考にする。

2021年4月時点、講師指定のテキスト➡
使用テキスト:神崎繁氏ほか二氏訳『政治学』(『アリストテレス全集』(新版)第17巻(岩波書店刊、2018年)に所収。
参考テキスト:牛田徳子訳「アリストテレス『政治学』」(「西洋古典叢書」・京都大学学術出版会刊・2001年初版)。



その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

加藤 信朗(カトウ シンロウ)
 1926年東京生まれ。50年東京大学文学部卒業。上智大学教授、東京都立大学教授、聖心女子大学教授を経て、現在、東京都立大学名誉教授。著書に『初期プラトン哲学』・『ギリシア哲学史』(東大出版会)、『哲学の道』(創文社)、アリストテレス『ニコマコス倫理学』訳註(アリストテレス全集13、岩波書店)、『アウグスティヌス『告白録』講義』(知泉書館)、『平和なる共生の世界秩序を求めてーー政治哲学の原点――』(知泉書館・新刊)などがある。