ベートーヴェンと時代精神 音楽と哲学 オンライン講座
  • オンライン講座

  • 三島 憲一(大阪大学名誉教授)
  • 原田 英代(ピアニスト)
講師詳細

 ベートーヴェン(1770-1827)の時代は、啓蒙主義の刺激が政治的にはフランス革命として実現する時代である。同時にこの時代は、カントの『純粋理性批判』(1781)、ヘーゲルの『精神現象学』(1807)、ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』(1774)、『ファウスト』(第一部1806)第二部(1831)、シラーの『群盗』(1781)など、哲学においても文学においても今でも重要な作品を、そしてベートーヴェンの交響曲やピアノ・ソナタに代表される卓越した音楽を生み出した。「芸術時代」という名称をのちのハイネが冠したとおり、哲学と芸術が、政治においても社会生活においても、今とは比較にならない重要性を持っていた時代だった。芸術は余暇の楽しみやイベントではなく、時代の精神と深く絡み合い、哲学は政治的議論の中心に位置していた。この渦巻から1830年ごろの「芸術時代の終焉」とともにマルクスの思想が、そしてニーチェの哲学やヴァグナーの音楽といった二十世期の悲劇にも関わる流れが生み出されきたことも忘れてはならない。
 どんなテクストも、そしてどんな楽譜もその作られた時代をその相貌に色濃く宿している。そうしたテクストや楽譜を解釈する我々は、その時代と自分の時代との距離から問題を見てとり、議論を組み立て、あるいは演奏を作り上げる。
 この講座ではそうした観点から、まず原田がベートーヴェンが啓蒙主義からどのような影響を受け、それを時代の動きの中でどのように咀嚼し、音楽に形成していったかを語る。次に三島が、カントの政治理論や平和論、第九交響曲にもつながるシラーの思想、そしてベートーヴェンと直接の交流はなかったが時代の刻印を大きく受けているヘーゲルの教養概念と芸術理論、ベートーヴェンとも交流のあったゲーテの古典主義に触れ、この「芸術時代」の哲学を簡単にスケッチしてみたい。
 その上で、原田が選んだベートーヴェンの何ヶ所かの曲想を聴いた上で、二人で対談を行う。(三島講師・記)

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日程
2021/11/30
曜日・時間
火曜 19:00~20:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,520円 一般 4,070円
その他
・この講座の受講料には音楽使用料が含まれています。

講師詳細

三島 憲一(ミシマ ケンイチ)
1942年東京生まれ。67年東京大学大学院比較文学・比較文化課程博士課程中退。専攻はドイツ思想史。大阪大学名誉教授。主な著書に、『ニーチェ』『戦後ドイツ―その知的歴史』(以上 岩波新書)、『ニーチェとその影』(講談社学術文庫)、『ニーチェ以後』(岩波書店)、『ニーチェかく語りき』(岩波現代文庫)、『ベンヤミン―破壊・収集・記憶』(岩波現代文庫)ほか多数。
原田 英代(ハラダ ヒデヨ)
東京藝大、同大学院を経て渡欧し、V.メルジャーノフに師事。ジュネーヴ国際コンクール最高位、シューベルト国際コンクール優勝。ケルン放響、スイス・ロマンド管、南西ドイツ・フィル、N響、読響等と共演し、明治天皇百年祭で奉納演奏も行う。ラインガウ、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン等の主要音楽祭に定期的に出演。アウディーテより4枚のCDをリリース。著書に『ロシア・ピアニズムの贈り物』(みすず書房)がある。ベルリン在住。