アリストテレス「ニコマコス倫理学」を学ぶ

  • 加藤 信朗(東京都立大学名誉教授)
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この数年間、プラトン後期哲学の諸対話篇を学び、最後に『ピレボス』篇を学んだ。『ピレボス』篇は「倫理学的内容」をおおく含んでいるが、プラトンはこれを「哲学研究」の「一分科」とはしなかった。「倫理学研究」を「哲学研究」の「一分科」とした始めは弟子アリストテレスであり、以後これは西欧の学問伝統となった。
 (a)『ニコマコス倫理学』を主題とする意図の一つは「倫理学研究」を「哲学研究」の「一分科」とすることの検討にある。
 (b)講師訳の『ニコマコス倫理学』を「主要テキスと」とする。これは45年以前の自らの「翻訳」を再検討することになる。
 一昨年四月期から昨年四月期にいたる四期で第一巻から第六巻までの「徳性論」の全体を学び、昨年十月期には、「抑制」と「無抑制」に関わる第七巻の論述を学んだ。本年一月期には続く第八巻における「愛・慈愛」の論述を学んだ。これは「人間共同体」を結ぶ基本の絆に関わり、人間の最終目的である「観想活動」への視向を準備するものである。 だが、その子細な論述を『ニコマコスス倫理学』全巻の構想の内にいかに位置づけるかはまだ十分に論じえずに終わっている。コロナウィルス騒ぎのため本講義も休講したが、十月期には、省略した第七巻末尾の快楽論に帰り、これを第十巻冒頭の快楽論に結んで、第八巻第九巻における「愛・慈愛」の論から、最終巻における「観想論」に至る全巻の構想の基底を、『エウデモス倫理学』との関連も顧慮しながら、窺いうれば幸いである。(講師・記)
(講師・記)

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日程
2020/10/17, 10/24, 11/14, 12/12
曜日・時間
第2週・第4週 土曜 18:15~20:15
回数
4回
受講料(税込)
会員 13,200円 
持ち物など
※テキストをご用意ください。
使用テキスト:加藤信朗訳 『ニコマコス倫理学』(『アリストテレス全集』第13巻に所収・岩波書店刊・1973年)
参考テキスト:高田三郎訳 『ニコマコス倫理学』上(「岩波文庫・昭和46年」、下〈岩波文庫・昭和48年〉:神崎繁訳 『ニコマコス倫理学』(『アリストテレス全集』第15巻・岩波書店刊・2014年):渡辺邦夫・立花幸司訳上 (光文社文庫・2015年)下(光文社文庫・2016年)

その他
★当講座は、台風のため、10/10⇒10/17の18:15~20:15に変更。お申込みの方々には順次ご連絡します。
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講師詳細

加藤 信朗(カトウ シンロウ)
 1926年東京生まれ。50年東京大学文学部卒業。上智大学教授、東京都立大学教授、聖心女子大学教授を経て、現在、東京都立大学名誉教授。著書に『初期プラトン哲学』・『ギリシア哲学史』(東大出版会)、『哲学の道』(創文社)、アリストテレス『ニコマコス倫理学』訳註(アリストテレス全集13、岩波書店)、『アウグスティヌス『告白録』講義』(知泉書館)、『平和なる共生の世界秩序を求めてーー政治哲学の原点――』(知泉書館・新刊)などがある。